2012年3月29日木曜日

2012/3/29のFunk 裏 Recommend Disc

まいど。

今日紹介する音源をYouTubeに探したんだけど全然なかったので仕方なく自分で映像ファイル作ってYouTubeにアップしたんだけどうまくいかなくて3回も同じファイルアップしたら知らん間にYouTubeがFacebookとTwitterに連動されてて3回もアホみたいに投稿されまくってたという恥ずかし目に会って、なんやこれ、無駄にソーシャルなネットワークし過ぎでしょうな今日この頃でございます。
関係者の方すいません。

しかしFacebookといいGoogleといい油断もスキもないですね。
こっちの弱みにつけ込んでくる狡猾さありますよね。
気ィ張ってへんとどんどん厚かましくなってくる押し売りのオッサンみたいですね。
どちらもUIが色んな意味で中途半端で野暮ったいのがまたしゃくにさわりますね。
やろうと思ったらもっとしゅっとしたUIにもできるんやけど、わざとどんくさい感じにして敷居の低さアピールしてるんちゃうかと邪推したくなりますね。

さいきん西海岸在住のサックス奏者のおじいさんとその人の70年代のレコード復刻する話をしてるのですが、パソコンもFAXもお持ちじゃ無いので仕方なく文通しています。
手紙なので届くまで2週間くらいかかりますが。
こないだは「不眠症で寝れへんから睡眠薬送ってくれ」という手紙が届きました。
ワシ息子かっちゅうねん。
ちなみにレコード・ジャケットも全部手書き。
手書きがスキなのかも知れないですね。

アナログっていいなという話です。



さて今週のFunk 裏 Recommendです。
ヴァリアスものですいませんが、レイ・オビエドさんなにげに重要人物なので。

ヘッドハンターズつながりでビル・サマーズの定盤『Feel The Heat』('77, Prestige)とか、ミゼル・ブラザース・プロデュースのロジャー・グレン『Reachin'』('76, Fantasy)とかポール・ジャクソンの日本でしか出なかった『Black Octopus』('78, Eastworld)とか西海岸のジャズ・ファンク系によく見かける人です。
シーラE・ファミリーみたいな感じの人でもあります。

「若かりし頃はいろいろやってたよ〜」という感じの武勇伝聞くような感じでおためしください。
1曲目。

Electric Church - We Had A Love

ラフでタフで痛快な感じ。
しかしこのジャケ最高ですね。
2曲目はこんな感じ。

Electric Church - I've Got To Find A Way


いいなぁ。
このヴォーカルの人うまくないんですが味があってすごく好きです。
しかしこの写真もカッコいい。
わざわざスキャンしてみました。
ホーン隊の人たちは怒られてるのではありません。

続いてザ・プライト。

The Plight - Soul Duck

JBまるだしな一発ものファンクですがかなりリハっぽいですね。
音質悪すぎてすいません。
オビエドさんの管理が悪かったせいでカビがひどかったらしく、くさくて事務所に置いておけなくてしばらくテープを野外で陰干ししていたとか。
それから洗浄したらテープがボロボロになったそうです。
そんな状況で奇蹟的にサルベージされた音源が今聴いてもらったやつってことなのです。

ポール・ティルマン・スミスのブリージンなソウルはこちら。

Paul Tillman Smith - Newsroom

いいですね。
フリー・ソウルな感じです。
スミスさんは本業はジャズ・ドラマーですけど歌もうまいです。

のちのヴァイタミンE(ビタミンE)で有名なヴァージョンがこっち。


これも悪くないけど元の方がいい気もしますよね。
こっちはポールさんは歌ってなくてドラム叩いてます。

このヴァイタミンEの『Sharing』ってのもいいアルバムなのでおすすめです。
タイトル曲がトロトロのスウィート・ソウルです。
CDはもう廃盤かな。

というわけで今日はこの辺で。
Blogって後半までモチベーション持続させるのが難しいですね。
いつも読んでいただいてありがとうございます。
またがんばります。



2012年3月23日金曜日

2012/3/22のFunk 裏 Recommend Disc

まいど。

今日がカゼのひきはじめの初日で経験から考えると明日はきっといちばんつらい日。というまっただなかで書いておるような状況ですのですいませんがさくっという感じでお許しください。
では今週のFunk 裏 Recommendの音源紹介です。

ユージン・ブラックネルはこのコンピを聴いてブックレットを読むにつれどんどん好きになってしまうタイプのミュージシャンですね。
あけっぴろげなファンク&サービス精神とどすこいなブルース魂みたいな感じのサウンドはワン・アンド・オンリーのクサミみたいなもんがあってヤミツキになります。

そして何より顔がイイ。
ハンサムじゃなくてイイ顔なのです。
小学校に必ずひとりはこういう顔の奴がいたのです。
永遠のガキ大将というかあばれはっちゃくというか、そういう佇まいがします。
完全に昭和のオトコなのです。

大人になってもこんな感じ。

嫁もかい!ってツッコミたくなるイイ夫婦です。
この写真が好きすぎてわざわざスキャンしてみましたよ。

下の動画の写真は17歳でアポロ・シアターに出た時の写真。
なんと憎たらしい顔・・・。

Eugene Blacknell and The New Breed - Gettin' Down

これが例のドラム・ブレイクがあんまりな曲です。
このブレイクはどう考えてもドラマーが見失ってるかラリッてるかあとでテープ編集してるかのどれかだと思うんですけど。
ドラマーのカーティス・ムーア先輩は「オイラがこのビートを叩いてる姿をあんたが目撃したとしてもオイラがどうやってるのか分かりゃしないさ。オイラにだってこん時どうやったのか分からねえんだから」なんて至言を残してます。

Eugene Blacknell and The New Breed - The Trip (Part. 1)

これは地元のラジオ局で当時ヒットした曲。
最高ですよね。

ユージンさんはメチャ好青年で熱血漢でクリーンな人だったらしく、高校生のときやんちゃだったカーティス・ムーア兄さんはユージンさんの舎弟になって不良から足を洗えたそうです。
それでドラムを始めたという学園ドラマみたいな話。

Eugene Blacknell - We Know We Have To Live Together

イントロがニュー・マスター・サウンズそっくりなんですけどブルース・ファンクみたいなとんがったこの曲はベックがサンプリングしたので有名な曲。
んでベックの方がこちら。

Beck - Black Tambourine

サンプリングていうかカヴァーちゃうのという感じですよね。

続いてグラハム・セントラル・ステーションの原型みたいな曲。
パーティですねぇ。

Eugene Blacknell - I'm So Thankful

この写真もイイです。
子供の顔がまたイイです。
イイとしかいいようがありません。

ではすいません、もう寝ますね。
また来週がんばります。




2012年3月15日木曜日

2012/3/15のFunk 裏 Recommend Disc

まいど。

気がつけばもう3月も半ばですがみなさまお元気でしょうか。
おかしいなあ先々週くらい正月だったくらいのノリなのになあ。

すいませんがあんまり時間が無いので前書きなしで今週のFunk 裏 Recommendの補足コーナーいきます。

今週はファンクじゃなくって、ジャンルで言うとなんでしょうね、ジャズの敷地のかなり端っこの方で細々とやってるひと、ソウルとの境界線がすぐそこでたまの買い出しはソウルの方の市場行ったりします、ええダンナはソウルのひとですけど連れ子の娘にもよくしてくれて助かってます、という感じのひとでしょうか。
こういうアルバムをCD屋さんに探しにいったときにはジャズなんかソウルなんかどっちにおいてあるのか分からん感じですね。

1曲目はこんな感じです。
いわゆるキラーチューンな踊れる名曲です。
僕がCD屋さんの店員やったらこんな感じのキャッチつけるでしょうか。

“アップリフティングなサンバ・ビートにのった男女コーラスが永遠の世界愛を歌い上げる高揚感溢れるスピリチュアル・ジャズ・ダンサー”

ふむ。われながらその薄っぺらさに愕然としますが。
しゃばしゃばのカレー並みに薄いですね。
まあこういう仕事しているとこういう文句がしゃばっと出てくるようになるのです。

Sons And Daughters Of Lite - Let The Sunshine In



スピリチュアル・ジャズ・ダンサーと書きましたが、スピリチュアルってなんやねんな話をしておきます。


スピリチュアル・ジャズっていうのは90年代末頃からレア・グルーヴやクラブ・ジャズ・リスナーの間でキーワードになってきた言葉なんですけど、ざっくりいえば60年代の公民権運動とかその他さまざまの社会的な動きを経て、より自身のアイデンティティに自覚的になったアメリカの黒人ミュージシャンたちが社会的なメッセージやアフリカ回帰のアティテュードなんかを音楽に織り込みはじめたのをそういいます。
難しい言葉使うてますけどだいたい受け売りです。


Impulse!期のファラオ・サンダースとか独立系黒人ジャズ・レーベルであったStrata EastとかBlack Jazzの音源とかはモロにそういう感じで、背景にコルトレーンの存在を感じる作品が多いこと、コマーシャルな作品は少なく何らかのメッセージ性が含まれている、というのも特徴です。


“ドロドロ・ジャズ”って言う人もいるくらい重厚なモード〜フリー・ジャズ系の作品もあれば、今回みたいにかなりソウル〜ファンク寄りなのもあって、最近では黒人以外の作品もスピリチュアルって表現されることも多いですね。


この曲はアフリカ音楽とファンク色が濃厚です。


Sons And Daughters Of Lite  - Darkuman Junktion

はい。他にもYouTubeで聴けますのでぜひググってみてください。


スピリチュアル・ジャズ的な現行のバンドをいくつか紹介すると、まずはLAのビルド・アン・アークが有名です。
ずっと前に裏 Recommendコラムでも紹介したシカゴのファンク・バンド、ザ・ファラオズにいたパーカッションのデーフ・レクロウとか、デトロイトのスピリチュアル・ジャズ・レーベル、Tribeにいたトロンボーンのフィル・ラネリンとか、その筋のヴェテランたちも参加しています。

Build An Ark - You've Gotta Have Freedom



この曲はファラオ・サンダースのカヴァーですね。
ピアノがフェンダーローズなのが現代的。

次は去年デビューしたイギリスのバンド。
ジャズ・ファンク的でシビレル。

The Greg Foat Group - Bright is the sun

グレッグ・フォートさんはイギリスの白人で、いわゆる“スピリチュアル”なメッセージ性とは無縁な人なんですけど、スピリチュアル的なエッセンスをうまく自分の音楽に活かしている気がします。

グレッグ・フォートさんはこの曲が最高にナイーヴで叙情的な感じでよかったです。

The Greg Foat Group - Dark Is The Sun (part 1 main theme)


こうなるとスピリチュアルな土台にローカルな影響、ブリティッシュ・ロックとかフォークとかいわゆるシューゲイザー的な閉塞感、などなどのエッセンスがブレンドされてて独自性が高い。
強烈なイギリスくささ、みたいなものさえ感じて立派です。

イギリスではノスタルジア77もおすすめです。

Nostalgia 77 - The Funeral


この人なんかはもはやスピリチュアルではないのかもしれませんけど、ドン・レンデル=イアン・カーの時代からマイク・ウエストブルックとかに続くプログレッシヴなブリティッシュ・ジャズの雰囲気(個人的には暗くて深い森をのイメージ)をモロに継承してる現代のクリエイターです。

日本からもこういう風に世界中で聴いてもらえるような、ローカル・エッセンスを取り入れたスピリチュアルなバンド、って言うのが登場すればいいな、と思ったのでした。


では今日はこの辺で。
後半真面目な感じになってしまった。
また頑張りますね。




2012年3月8日木曜日

2012/3/8のFunk 裏 Recommend Disc

まいど。

サム・クックの紙ジャケ・シリーズ(ソニーさんから3月7日発売です)を買いそろえたくてたまらない今日この頃ですがいかがお過ごしでしょうか。
EW&Fの紙ジャケ・シリーズも同時発売やけどやっぱり今はサム・クックかな。

なんで今サム・クックなのかよく知りませんがなんかこの時代に音楽的にもアティテュード的にも求められてるのかも知れないと思ったりしました。

僕は川辺の小さなテントで生まれた
以来ずっと川のように流れて生きてきた
長い、長い時間がかかったけど
僕には分るんだ 変化が訪れようとしていることが そうさ必ず

Sam Cooke - A Change Is Gonna Come

しかしなんちゅう圧倒的な歌唱なんでしょうね。
喉の強靭さがパネぇ感じで。

オーティス・レディングさんもそうでしたけど、ノドで歌う人の歌ヂカラみたいなもんは我々日本人の想像を遥か超えてますね。
そんなサム・クックさんもオーティスさんもあっという間に亡くなってしまいました。
こないだボビー・ウーマックもこの曲ステージで歌ってましたよ。


では今週のFunk 裏 Recommend
個人的に偏愛するダロンドのバラード「Didn't I」を紹介させてください。
アル・グリーンになりたかった人が奇蹟的に生み出した、いっしゅんだけかも知れんけどアル・グリーン超えてしもたかも知れないアル・グリーン的バラードの傑作やと思います。

Darondo - Didn't I

ノドで歌えない人はこういうふうにファルセットで歌うんですね。
けどそれも70年代というナイーヴな時代に合ってた気がする。

ファンクはこんな感じ。
ちゃんとホーンズも入ってますよ。

Darondo - Legs

確かにサム・クックとか聴く純正のソウル・ファンにはなんやねんな歌かもしれません。
僕みたいなぬるいソウル・ファンにはぜんぜんオッケイなんですけど。

次は「Didn't I」のシングルのA面やったバラード。
これもずぶ濡れな感じ。

Darondo - Listen To My Song

もう1曲だけ、去年リリースされた『The Music City Session』からの未発表ファンク・チューンを。

Darondo - I'm Gonna Love You

このCD、音楽がイイのはもちろんやねんけど音がめちゃくちゃイイです。
未発表やったんが信じられへんくらい。
音が良い、というのはこういうことやねんな、と。
英語で書くとRichって感じです。


んで、ダロンドの片腕やったというベイ・エリアのジャズ・ピアニストのアル・ターナーさん。
ジャズ業界的にはただの無名のローカル・ミュージシャンなんやけど、1枚だけアルバム出してて、それが1967年3月のこのライヴ盤。
結構なレア盤でお高いんですが、ディープ・ジャズ好きには垂涎なサウンドです。
このアルバムいつかCD化したいんですけど。

Al Tanner Quintet - Kuba

では今日はこの辺で。
いつも読んでいただいてありがとうございます。
また頑張ります。


2012年3月1日木曜日

2012/3/1のFunk 裏 Recommend Disc

まいど。

あんまり誰も書いてないですが、先週25日にレッド・ホロウェイさんが亡くなったの知ってましたか?
ていうかもしかしてレッド・ホロウェイて誰やねんて話ですか。

ブラザー・ジャック・マクダフのバンドがヒーティン・システム(加熱装置)言われてドエラいことになってた60年代に在籍してたテナー・サックスの人です。
ギターはジョージ・ベンソンでドラムはジョー・デュークスです。
ソウル・ジャズ史に残る名コンボやったのです。

大スターになったジョージ・ベンソンが今でも時々オールドスクールなオルガン・コンボで演奏してるんはコテコテのソウル・ジャズやって黒人クラブのドサ回りしてたこの頃のバンドが楽しくてたまらんくて、その記憶が焼きごてみたいに身体に染み付いてるからやと思うのです。

そんな最高やった時代のジャック・マクダフ・バンドでエゲつないブロウしてたんがレッド・ホロウェイさんです。
ホンカーいうたらホンカーですが、R&Bからビバップまで何でもできる人です。

こんな曲なんて最高や思うんですけどね。

Brother Jack McDuff - Hot Barbeque

マクダフ・バンド卒業したあともずっと大御所として活動続けてて、ソニー・スティットなんかとよくツイン・テナーの作品残してましたね。
リーダー作も70年代以降の方が多いです。

これはレアなシングル盤ですけど、脱糞もののジャズ・ファンクです。

Red Holloway - Gittin' Down

エグくてクサい音ですね。
もう好きすぎて抱きしめたくなりますね。
アーネット・コブさんと同じで常にぷるぷる震えてるような音色が萌えますね。
はぁ〜。
ありがとうございました。

では今週のFunk 裏 Recommendの音源聴いてみてぇなコーナーです。
まずはこんな感じ。

The Perfect Circle - Dip Stick

完全にブラスが主役みたいなベイ・エリア・ファンクの特徴がよく出てて、しかもクロくてビバップっぽくてバッチリな曲じゃないですか。

次は2拍3連のシャッフルに否応無しに踊らされるこれ。

The Perfect Circle - Jungle Disco

曲名に反してそんなにジャングルでもディスコでも無いという。。。
どっちかいうとこっちの曲の方がディスコです。

The Perfect Circle - The Hands Of Time

このリズム・パターン好き。

輸入盤のCDもうあんまり売ってへんので欲しい人はググってネットで見つけて買うのがええと思います。
たぶんもう2度と再発されることは無いと思われ。

続いて映画『ワッツタックス』で一瞬映り込むジョージ・センパーさん。
2:40秒くらいで問題の怪しいグラサン・白ターバン男が登場します。
アル・マッケイ、ジェームズ・ギャドソンもばっちり映ります。

Johnny Taylor - Jody's Got Your Girl and Gone (from the movie "Wattstax")


この『ワッツタックス』って映画ですけど、もし観たことがない人がいたら今すぐ小銭握りしめてTSUTAYAにダッシュしてください。
もしくはAmazonでDVDポチってください。

アメリカが生んだブラック・ミュージック、それに対する考え方が変わるだけじゃなくって、アフロ・アメリカンの人たちに対する意識も変わるような気がしますので。
だらーーっと日本人してきた我々には異質すぎる何かを感じるはずです。

そして必ず演奏がうまくなります。
いや、これもう100%うまくなります。
繰り返し観れば観るほどうまくなります。
ごはんがいっぱい食べれるようになります。

さてそんなセンパーさんは60年代にソロ名義のリーダー作を1枚だけ出してます。
オルガン主役のインストで当時のR&Bヒットをお手軽クッキング的な珍味アルバムなんですけど、ボクこんなんもイケるクチですよ。

George Semper - Shortnin' Bread


以上。

あ、そういえば先週のボビー・ウーマックよかったですねぇ。
久しぶりにほんもんのソウル・ミュージックに触れた気がした歌声でしたね。
サム・クック歌いだしたときは泣きました。
文句いうてたけど1万円もだして行った甲斐ありましたねぇ。


また来週頑張ります。