2013年2月22日金曜日

2013/2/21のFunk 裏 Recommend

まいど。

実家の父親が最近エスプレッソにハマってわざわざお店に通っているというので1万円くらいするエスプレッソ専用機を買って送ったところ、なぜこんなに1杯の量が少ないと文句のメールが届いた今日この頃なのですがではいったいオレはどうすれば良かったのでしょう。

エスプレッソというのはもともとそういうものだと何度か説明してもまだ納得しきらない様子なので、ウチの親父はもしかしたら全イタリアを敵に回すつもりなのかも知れません。
それよりも奴が店に通って飲んでいたのはいったいなんだったんでしょうね。

まあそんなことはどうでもいいのですが、いやはやマメにブログ更新する気力もなくご無沙汰ですいません。
何度も言いますがもう少しあったかくなればやる気が出ると思いますので長い目で見守ってくださいね。



では本日のFunk 裏 Recommend音源紹介です。

マイゼル・ブラザーズを紹介したかったんですけど、最近のコンピレーションを別にするとマイゼル兄弟名義のアルバムというのは70年代当時は存在しませんので、ドナルド・バードさんの追悼企画とあわせてお届けすることにしました。

ドナルド・バードさんのキャリアを超ざっくり振り返ってみます。
こんな感じでしょうか。

① デビューしたてのルーキー時代(56、7年頃。『Byrd Blows On Beacon Hill』とか。ういういしさが残る修業時代。)
② ファンキィ・ハードバップ期(60年前後。『Off To The Races』とか。ファンキィ路線を打ち出した、ある意味絶頂期。)
③試行錯誤期(60年代中盤〜後半。『A New Perspective』『Mustang!』とか。いわゆる新主流派みたいにもなれず、コーラス入りとかジャズ・ロック〜ブーガルー〜ソウル・ジャズ的な佳作を連発した時期。)
④浮遊期(70年前後。『Fancy Free』とか。)
⑤クロスオーヴァー期(70年代中盤『Ethiopian Nights』以降。)
⑥Elektra以降(70年代後半以降。)

ペッパー・アダムスさんのノコギリみたいなバリトン・サックスが最高だった②とか、ソニー・レッドさんのヘタレ風のアルト・サックスが最高だった③とか、バンド・メンバーにも恵まれた人ですけど、個人的にいちばん印象深いのはあんまり人気無いように思われる④の浮遊期で、なんというかジャズ・ロック的な感じとモーダルな感じがあわさって宙ぶらりんになったままのような、なんとも独特の音像が聴き飽きないことこのうえなかったです。

『Fancy Free』もいいんですけど、90年代になって出た『Kofi』って未発表アルバムもそうとう良いです。
フランク・フォスターのテナー・サックスとクセになるようなコンポジションが聴きどころかと。
同時期に泥臭いジャズ・ファンクとかやってた人たちと比べるとすごく知的でインテリな感じがしたのはバードさんがハワード大学ほかで教えてたのと関係無くはないでしょう。


色々書きたいことが多すぎて先に進まないですけど、今日の本題は⑤でございます。

クレジットには無いものの『Ethiopian Nights』('72)からマイゼル兄弟は手伝ってたらしいですね。
その次作の『Black Byrd』('73)からは完全にプロデュースをまかされた形で、『Street Lady』('73)、『Stepping Into Tomorrow』('75)、『Places And Spaces』('75)、『Caricatures』('76)とBlue Noteを卒業するまでその関係は続きました。

どれもナイスですけど、全曲ハズレ無し度で言えばこのアルバムかと。
こんな感じです。

Donald Byrd - (Fallin' Like) Dominoes

遠慮がちなコーラスで歌われるメロディが沁みますね。
なぜこんな幸福な気持ちになるのでしょう。
ちなみにドミノってのはサイコロのことです。

ちなみにYouTubeにはこの曲のレアなライヴ・ヴァージョンもあがっててこれがとても素晴らしいです。
セントラル・パークのライヴとのことですが、それはいいとして動画代わりに貼ってあるのがフレディ・ハバードなんですけど。
あと、誰に言えばこのライヴの全曲貸してくれるの?

続いてこれ。

Donald Byrd - Wind Parade

1975年でこのクオリティかよと思い、以降ほとんど誰もこのクオリティを越えられていないような気もするような、おそろしいトラックですね。

続いてこちらは珍しい当時のテレビ出演時の映像。
これ見ちゃうとセルアウトって言われても仕方ないですよ師匠。

Donald Byrd - Change (Makes You Want To Hustle)


セクシーダンサーの前に居心地悪そうにたたずむバード師匠はあやうく放送事故になりそうなほどただのオッサンなのでした。
衣装と番組の演出まちがってるよな。

あとは別のアルバムですけど、これも有名な曲なので。
よーく考えてみようというタイトルです。

Donald Byrd - Think Twice (from Stepping Into Tomorrow)



言っとくけどこのへん全部いまなら1,000円だかんね。



ジャズとかフュージョンは聴きませんというソウル・ファンのひとにもお試しして欲しいし、AORとかソフト・ロック聴いてるような人にもイケるかもしれないし、50年代のハードバップなバードさんが好きなジャズ・ファンのひともぜひ一度聴いてみて欲しい、バードさんマイゼルさん作品集です。

ではお先に失礼します。
また頑張りまっせ。




2013年2月15日金曜日

2013/2/14のFunk 裏 Recommend

まいど。

先週はお愛想無しですいませんでした。
今週もわりかしお愛想無しですのでどうも。
バレンタインデーのことにもビタ一文触れませんのでどうも。


それほど忙しいわけではないのですが、ふと我にかえるとtwitterやFacebookのTLから2ちゃんのまとめサイトなどに飛んでぼんやり記事を読みふけっている自分を発見する、ということが多く、ソーシャルなんたらに時間をちゅうちゅう吸い上げられている気がしてならない今日この頃です。

まるで税金払うみたいな感じでどうでもいいことに時間を払ってる気がするし、時は金なりと言うけれどオレの時間は人生ゲームの紙幣なみに使えない金だということです。
「でましたよ」コーナーのネタもいっぱいあるのにくそう。
春になったらたぶんいっぱいおもしろいことや興味深いことを書きますので今はそういう時期なのだと諦めてください。

とかいってるうちにもう2月も半分終わったよ。
なんと安っぽい時間の過ぎ方。




めげずに今日のコラムの音源紹介します。

なにしろジェームズ・ブラウンさんというのはまれに見るエゴの持ち主だったわけで、バンドご一行さまとのやり取りについてはおもしろい話が尽きないのですが、いつかそういうのまとめて本にすればいいのにと思うのはオレだけではないはず。

メイシオさんとかは何度も出たり入ったりしてますけど、まあオッサンのことシバきたくてしょうがなかったでしょうね。
そんな思いをぶつけるかのような1曲目はこんな感じ。

Maceo and All The Kings Men - Maceo

ここまで堂々たる一発モノを恥ずかしげもなく7分以上も吹かれた日にはシオッチちょっとやりすぎじゃんとでも言いたくなりますね。

こっちはもっといいです。
クッシュ・グリフィスさんの意外とチェット・ベイカーばりなラッパ・ソロと、エルディー・ウィリアムスさんのにゅるっとしたソロが聴きどころです。

Maceo and All The Kings Men - Funky Women


たいていサックスがテナーかアルトかっていうのは聴き分けられるんですけど、メイシオさんのサックスはほんとに音色が同じで変わらないのでどっちかわかんないことしばしです。
でもさっきの「Maceo」がテナーで、こっちの方がアルトですね。

ちなみにメイシオさん60年代のJBバンド時代はずっとテナーで、アルト吹き出したのはこのアルバムが最初です。っていうのも結構意外な感じしない?
おっさんが「じぶんアルト吹いた方がええんちゃう」って言ったらしいですけど。
73年にJBバンドに復帰して以降はずっとアルトですね。

次はブラス・フィーチャーな曲。

Maceo and All The Kings Men - Mag-Poo


こういう曲の発想はJBバンドではありえなかったかも。
日本の若者達はこんな曲カヴァーしたらいいのに。

このバンドではもう一枚アルバム出しておりまして、それが以下。
こっちも悪くはないのですが、ややヴォーカルの比重が増えてサックスがほとんど出番無くって、カヴァーも多かったりして、正直ファーストには随分劣るかなという感じ。

Maceo and All The Kings Men - Funky Music Machine (from "Funky Music Machine, 1972)

このあと73年にJBバンドに出戻り、すぐにオッサン・プロデュースによるアルバム『Us』を出します。
あんなにシバきたいオッサンと一緒なのにタイトルが『Us』とは心中如何に。
このアルバムは掛け値無しで最高ですけど。

その後は75年くらいからPファンク軍団入り。
でもそれも70年代までの話で、80年代は通してパッとしない時代を過ごしたメイシオさん。
オッサンのバンドにまた参加したりもしています。

その後90年のアルバム『Roots Revisited』で逆転満塁ホームランを放ってほんとに良かったなあと思うアーティストです。
『Roots Revisited』は学生のとき血に溶け込むくらいよく聴いたです。



実は今日2月14日がメイシオさんのお誕生日と知らずにこのコラム書いてたんですけどなんだろねその偶然。

ではまた来週。
頑張れオレ。


2013年2月7日木曜日

2013/2/7のFunk 裏 Recommend

まいど。

すいません時間が無いのでとりあえず今日のコラムの音源だけ貼っておきます。
3連休のあいだに何か書ければいいなあ。

本日のアルバム
The Heath Brothers - Marchin' On! (Strata East)
です。

まずはアルバムの1曲目、「Warm Valley」を聴いて欲しかったのですがYouTube上に存在しませんでした。

ので、代わりに「The Watergate Blues」をどうぞ。
もちろんウォーターゲート事件にちなんだ曲だと思われます。

The Heath Brothers - The Watergate Blues

パーシー・ヒースのベイビー・ベース(っていうの?)が味わい深いです。

でもやっぱりこのアルバムの聴きどころはB面の組曲だと思われ。
その冒頭の曲がこちら。

The Heath Brothers - Smilin' Billy Suite Part I

そして人気のンビラ・ヴァージョンがこちら。

The Heath Brothers - Smilin' Billy Suite Part II

いかがでしょうか。
なんかサスペンス映画とかドラマに使われそうな感じですよね。

ちなみにヒップホップの名曲のネタには使われております。
このPVイントロ長いのでトバして聴いてください。

Nas - One Love



たいへん申し訳ないことにこのCD、廃盤となって久しい状態であります。
でも中古盤屋で売ってたら2000円も出さずに買えると思う。

ほんとは500人くらい買ってくれる人がいるならばぜひ自分の手で再発したいところなのですが。
どうですかね。


サウンド的に近いところで言えば、同じStrata Eastのスタンリー・カウエルのアルバムとか、ンビラ使いでオススメです。

Stanley Cowell - Travelin' Man (from Musa)


こちらはCD入手可能みたいです。



ではすいませんがのちほど。


2013年2月5日火曜日

2013/1/31のFunk 裏 Recommend

まいど。
更新がたいへん遅くなりました。
原稿仕事がたくさんあって煩悶としておりました。

世間はやれ節分だとか言っておりますが先日残念だったことがふたつありまして、ひとつは近所のスーパーで売っていたトルティーヤ恵方巻というのとサーモン生春巻き恵方巻というのと恵方巻ロールケーキというのが非常に残念でした。
それはもう主旨が全然違ってて、形状しか合ってないですから。

しかしいったいいつから誰が恵方巻なんて言い出して食べると縁起がいいなんて言いふらして庶民が踊らされまくってカネをむしり取られてる感じですかね。
オレ子供の頃はそんなの無かったし。


もうひとつの残念は先日オリジン弁当の会社がやってる東秀という安いチェーン中華屋で遅めのランチ食べたんですけど、炒飯無料で大盛りにしますと書いてあったので調子に乗って大盛り頼んだんですけど、その時に出された炒飯があまりにハゲていたので心底せつなくなったことです。

他に適切な表現が見当たらなくて恐縮なのですが炒飯がハゲるというのは、あまりにも具が少なすぎてしかも大盛りなので白い部分が見え過ぎでこれニイチャンただコメ炒めただけちゃうのという状態のことです。
ネギも卵もチャーシュウもミクロのような大きさで炒飯全体を100とすると明らかに0.5以下の含有率で、見渡す限りの砂漠・ハゲ山状態だったわけです。

しかしながらさすがにイイ歳こいて「すいません炒飯の具が少な過ぎるんですけど」なんてクレームをバイトの学生に言えるはずもありませんので泣き寝入り気分で食べ始めたんですけど、味付けがこれまた無いに等しい薄さでありまして、それはもうぼくの健康に気をつかってくれてありがとうというレベルを超えた味の無さでありまして、とはいえ「すいません炒飯の味付けが薄過ぎるんですけど」なんてクレームを言えるはずも無いオレがもうその限りなくプレーンに近いただ量が多いだけの炒飯というかコメの固まりを食べているうちにいつぞやの学生食堂の特盛ライスの風景を思い出し、プレーン炭水化物の罠はこんな日常にも潜んでいたのかと愕然としたのでした。

もう東秀には絶対行かないです。







以上今週の愚痴でした。


では今週のコラムの音源紹介にまいります。
どうでもいいけど今回の兄弟仁義シリーズは書いてて意外とオモロいですね。
たぶん音楽的なつながり無いからかな。

今週はインディアナポリスのターナー兄弟さんです。
インディアナポリスといえばビリー・ウッテンとかリズム・マシーン(というグループ)とか、レア・グルーヴ好きにはたまらんレコードの原産地として知られておりまして、その名を聞くだけでロマン溢れる街なのであります。

このターナー・ブラザーズもそのインディアナ伝説の理由のひとつですね。
ではまずは最初の曲から。
嵐を呼ぶファンク。

Turner Brothers - Running In The Rain

どことはなしのマイナー感というかローカル感漂うのが素敵ですね。
ピロピロなシンセが余計な感じで素敵です。

続いてキッズ・ヴォーカルのクールなソウル。

Turner Brothers - Couse I Love You


このスカスカ感が素敵ですね。
冷や汗かくほどのスカスカ感です。

そして個人的に大好きなこれ。
「世界中でいちばんスウィートな物体」ってなんでしょうね。

Turner Brothers - Sweetest Thing In The World


とりかえしのつかない時代にやったとりかえしのつかない過ちが久しぶりに心の引き出しから顔出した感じですね。

CDは廃盤でお高いですけど、iTunesとかなら容易に入手可能かと思われます。


以上です。
本当は久しぶりに「出ましたよ」コーナーやろうと思ってましたが、無理でした。
追ってやるかも知れません。
全てモチベーションの問題です。

また頑張ります。