2013年6月28日金曜日

2013/6/27のFunk 裏 Recommend

まいど。

梅雨の晴れ間だった今日は年に何日かしかない特別なお天気だったような気がした今日この頃です。
”生命力そのもの”みたいな目に見えないものが風景のそこかしこを闊歩しとったです。
車に轢かれないかひやひやしました。


こないだアメリカのお店に商品を送ったときですけど、箱にスペースが余ってたので詰め物代わりに隣のコンビニで売ってた「パウダー250%ハッピーターン」というのを入れて送ったところ、「なんだこれ超ウメ〜」みたいなメールが速攻で送られてきたので亀田製菓さんはそろそろ大陸攻めしてもいいんじゃないかと思いました。

今日送った荷物には調子に乗って「ハッピーターン濃いめの塩バニラ風味」を入れておきました。
ところでハッピーターンってネーミングの理由がしあわせ(ハッピー)が戻って(ターン)くるっていう意味って知ってました?

関係ないですけどニーナ・シモンさんだってターン!ターン!ターン!って歌ってますから。

Nina Simone - Turn! Turn! Turn! (from live in Europe, 1969)

そんなターンがいっぱい入ったニーナさんのアルバムがもうすぐ発売されるそうなので、ひとついかがでしょうか。
上の映像と同じ欧州ツアーのライヴ盤です。
みなさまにもしあわせがターンしてくるに違いないと思います。



堂々たるステマ状態でもうしわけありません。





さて本日のFunk 裏 Recommendは久しぶりの現行バンドものでした。

アンティバラスは以前自分も日本でのリリースに関わったり来日の手伝いをしたバンドなんですけど、2007年のアルバム以来めっきり新作出ないな、と思ってたところ、安心クオリティのDaptoneレーベルから去年ようやくアルバム出たんでホッとしました。
内容もキュンキュンする感じで良かったス。

そんな新作の音は彼らのサイトで全曲試聴できるのでぜひ訪れてみてください。
しかし45秒とかじゃなくって全部聴かせちゃうっていうのも男前な話ですね。

ああ、オフィシャルのPVがありましたのでそれだけ貼っておきますね。
Antibalas - Dirty Money

スタジオ・ライブ映像もあったりした。

こんなバンドでサックス吹きたいス。
来日してくれないかな。
つうかフェラのミュージカルはいつ来日するねん。



あと、たまには書かせていただきました情報でも。

クリンク・レコードさまより発売中のクール&ザ・ギャングさんのアルバム『Wild And Peaceful』と『Light Of Worlds』のライナーノートを書かせていただきました。
「Summer Madness」こそブラックミュージックにおける“チルアウトの発明”ではないだろうか、というようなことを書いています。

あとはカレンティートさんよりもうすぐ発売になるのではないかと思われるテッド・カーソンさんの『Ode To Booker Ervin』のライナーも書かせていただきました。
テッド・カーソンさんは去年亡くなったときにここでも書いた日本盤オンリーの作品がめでたくCD化されています。
1000円かよしかし。

以上。
ではまた来週頑張ります。



2013年6月21日金曜日

2013/6/20のFunk 裏 Recommend

まいど。

こないだ外人の友人を案内して下北沢に行ったんですけど、角っこにある有名つけ麺店に入りたいというので券売機のところでメニュー説明してたんですが、値段は全部一緒で麺の量が普通盛り、中盛り、大盛り、特盛り、とあるところを、スモール、レギュラー、ラージ、エクストララージ、とやや自分目線で訳して伝えてしまい、無邪気にラージを頼んでしまった外人が出てきた麺の量をみてワオ、クレイジー、アンビリーバブルとか言いながら写メ撮って、その後残しちゃダメだよとオレが追い打ちをかけたもんで泣きながら極太麺を口に押し込む姿が面白かった今日この頃です。

あの極太麺を良く噛まずにのどごしを味わったりするのがいいんだという話は聞きますが、オレなんか良く噛む癖が身に付いてしまっているもので、あの麺をちゃんと咀嚼して食べるのに時間がかかるうえにアゴが疲れてしょうがないんですけど。
ので、つけ麺というものの魅力がいまいち分かっておりません。
ヤキソバUFOでじゅうぶんだよオレ。



では今週のFunk 裏 Recommendです。
ついにアフロ・ファンク界のラスボスであるフェラ・クティさんに登場願いました。

フェラ・クティさんの音楽が日本でCD化されだしたのは90年代のなかばだったと記憶していますが、当時その変な名前の得体の知れぬアーティストの初CD化のことを雑誌が騒いでいたのに乗っかって購入したところ、ブーツィーさんじゃないですけど聴いたことも見たこともないような未知のリズムと野蛮さと濃密さが詰まった音楽にかなーり衝撃を受けたのを覚えています。

たぶんJBをはじめて聴いたときとかに近い、生理的な異物感に文字通りゾゾ毛立ちました。
地球の裏側にはすげえもんがあるなと思いました。
だからいまだに「やだ〜エッチぃ名前〜」とかふざけたこと言ってるひとには顔面ウォッシュしてやりたい気持ちになりますね。

コラムにも書きましたが、グダグダなのばっかりな外人アーティストの項のなかでもフェラだけは完成度高杉なWikiをはじめ、充実した日本語サイトがたくさんあるのでぜひ覗いてみてください。
いずれも愛情感じます。

Fela Kuti - Water No Get Enemy (from Expensive Shit, 1975)


この曲はもうフェラの代表曲みたいになりつつある気がする。
なんてったってアルバム名が「高額なクソ」だかんね。
シビレますよね。
偉大な音楽家であるとともにナイジェリア政府の圧政に最後まで屈しなかった活動家でもありました。

ベスト盤には入ってないけど個人的に好きなのをもう1曲。
タイトルがいまはやりのじぇじぇじぇな感じです。

Fela Kuti - J.J.D. (Johnny Just Drop) (from J.J.D.)


フェラの曲は20分近いものがほとんどなので、ベスト盤に入っているのはたいていエディットされて短くなったものがほとんど。
なのでフル尺で楽しみたい曲はオリジナル・アルバムを買った方がいいです。

いちばん左のが最近出直したベスト盤で、こちらはDVDも入った3枚組でこのお値段なのでお得だと思われます。
輸入盤なので解説は英語ですが。
2番目は日本盤のベストです。


ではまた来週。
また頑張ります。

2013年6月14日金曜日

2013/6/13のFunk 裏 Recommend

まいど。

今日は散発的なひとことコメントしか出てこなくて、まとまったことを書くネタも気力も無いので、かんたんに箇条書きで行くことにします。

・以前この連載で書きましたダロンドさんが亡くなりました。
一度生で聴きたかったです。

・ソウル・ミュージックの評論家の大先生であった桜井ユタカさんも亡くなられました。
お会いしたことも無かったですが、もう尊敬よりほかに言葉がないような仕事を残された方です。
アメリカで発売されたソウルのLP、シングルを全て網羅したカタログを作るなんて誰が思いつく?

・ちょっと前の新譜ですが、Rhye(ライ)というグループの『Woman』というアルバムが良くてヘビロテ中。
皆がいうようにシャーデーみたいなブルーアイドソウルものですが、何がいいって曲がいいのは当たり前なんだけど、決してはしゃぎ過ぎてないのがいいのです。
はしゃぎすぎるどころかはしゃいでさえいない。
なにか諦めきったような抑制感。
それでいて清潔で、スウィートな印象。
しあわせではないが不幸でもない。

・そういえばダフト・パンクの新譜も購入したのですが、こちらにも決してはしゃがない信念みたいなものが貫かれておりました。
別のタイミングでロバート・グラスパーの去年のアルバムをふと聴きかえしたりしたのですが、ここにも存在したはしゃがない精神。
それはなんというか、なにをどうやりたいかという意志の流れを、どう聴こえているべきかという知性が完全に制御している感じがして、成熟したプロフェッショナリズムなど、を感じました。
真夜中に音も立てずに月の明かりだけで本格的なダンスを踊るみたいな感じです。
そういう音楽は安心できますね。

・あとはセブンイレブンの100円コーヒーはなかなか旨い、ということくらいですね。




では本日のFunk  Recommendの音を聴いてみてくださいのコーナーです。

まあ、アレだ、今日のは正直言ってタイトルこそ『African Roots Of Jazz』だけど、内容的にはそんなにアフロでもファンクでもないからな。
そこんとこは正直オレだって苦しいと思ってるから。

でもそんなことはこのアルバムの内容的な素晴らしさにはなんの罪も無い話だから。
まあ聴いてみてください1曲目。

E.W. Wainwright - The Healer/Don't Break
と思ったんですが、YouTubeにあがっているこの曲の動画が完全に別の曲でした。
なんでそんなこと起きるかな。

というわけですいませんがお聴かせできるものがありません。
ここでエディットを加えたヴァージョンが聴けますが、ちょっと違うんだなあ。
ごめんなさい次行きます。

E.W.Wainwright - Imani

このような女性コーラスはすごくイイと思うんですが、ジャズのなかでもこういうの入るのはほんの一握りの録音ですね。
次もコーラス隊が大活躍。

E.W.Wainwright - Ayoka

このせわしなく攻めてる感じ、コーラスの素人っぽい感じ、最高じゃないですか。
もう1曲はわりと普通です。

E.W.Wainwright - The Mfecane


こういう類いのジャズってもうちょっと発展してもよかったのにな。
スピリチュアルだとか抜きにしても、音楽として強いと思いました。



今日は以上です。
また来週頑張ります。



2013年6月10日月曜日

2013/6/6のFunk 裏 Recommend

まいど。

昨夜アパートの玄関付近で今年初のGを見かけて以来引っ越ししたくてしょうがない今日この頃ですがいかがお過ごしでしょうか。

まとまった仕事にカタがついた週末だったのですっかり寝るだけモードに入っておりました。
週末にやる予定だった原稿仕事とかなにもやってねぇ。

そういうわけで読む人が読むとブログなんて書いてないで原稿書けよこの野郎、ということになりかねないので、無駄話はなしで本題に参りますね。



遅くなりましたが今週のFunk 裏 Recommendの音源紹介コーナーです。
4日遅れでやっても何の意味も無いのはわかってるけどさ。

ムラトゥ・アスタトゥケさんはサックス&ブラス奏者ではありませんが、FUJI ROCK出演および初来日記念ということで注目して欲しいアーティストです。
ワールド・ミュージック的にもレア・グルーヴ的にもカルト・スター的な存在で、エチオピアなんて国の音楽、この人を媒介にしてでないと耳にする機会は無かったと思う。

われわれ日本人の血に流れている演歌とか民謡の旋律そっくりの伝統音楽を持っているこの国ですが、ペンタトニックをWikiでひいてみると、五音音階という別名で説明されていて、そこにはちゃんとこの旋律が伝統音楽に使われている国としてエチオピアの名前が挙げられています。
もしかして何百年もまえに海か陸地を越えた音のシルクロードみたいな文化伝播があったのかも知れないと考えたらワクワクしますよね。

まずはコンピの1曲目から。
Mulatu Astatke - Yèkèrmo Sèw ('69)

うーむ、実に和風ですね。
ここまで酷似してるとルーツをちゃんと勉強したくなる。
んでこの動画はなんの意味?

続いてズンドコ節ふうのこれ。
Mulatu Astatke - Yègelé Tezeta ('69)


最高だよな。
ジム・ジャームッシュの映画に使われたのがこの曲です。
この映画みたいわあ。

Jim Jarmusch - Broken Flowers Trailer (2011)

歌入りの曲はもっとドープ。
Mulatu Astatke with Menelik Wossenatchew - Fikratchin ('71)


この歌手の名前はさすがにカタカナ化できねいす。
メネリック・ウォッセナチュウ?

浅ーい経験値の音楽リスナーが聴くとゲテモノみたいだけど、まともな耳を持った人が聴くとこのベスト盤はハマる場合も多いかと思います。
オレも取り憑かれたように聴きまくってた時期がありました。

ちなみにオリジナル盤がそのままの形ではほとんどリイシューされてないのでこういうコンピで聴くほか無いですが。

で、ムラトゥさんは70年代までは祖国とアメリカを股にかけて活躍していましたが、80年代以降はちょっと忘れられた存在になっていました。
たしか先生とかしてたのかな。

しかしレア・グルーヴ〜ワールド・グルーヴ的な世界的評価のおかげで近年復活、何十年ぶりかの新作や現行バンド、現行ジャズマンとのアルバムのリリースなど、精力的な活動を再開しています。

下の左から2番目は60〜70年代のエチオピア録音もの、3番目から右は近年の新作です。


以上でした。


今年もなんとか総選挙をテレビでぼーっと観ていたのですが、アレ立候補してるどの人かが「わたしを応援してくれてるファンのみなさま、応援はものすごくありがたいのですが、みなさんの大事なお金をつかって何十枚何百枚もCD買ったりするのは絶対にやめてください!お気持ちだけでじゅうぶんです!わたしはみなさんのことが大切だからこそみなさんにはもっと有益なお金のつかいかたをして欲しいです!」とか言えばスーパーアイドルになれるような気がするんですけどね。

グループからはクビになるか、クビになる前にグループ自体が崩壊するかも知れないけど。

ではまた頑張ります。