2013年8月29日木曜日

2013/8/22のFunk 裏 Recommend

まいど。

ご無沙汰しております。
なんだか一度ブログ更新をおろそかにしてしまうとずるずる逝ってしまいますね。
実にずるずる逝ってしまい、またもや久しぶりの更新となってしまいました。
チェックしていただいていた方には申し訳ないです。

色々と思うように事が進まないうえにやることだけは多くて悶々としておりました。
くそー、今週からは再びきっちりやったんぞ。
正直時間もネタも無いのであんまり笑えるような話は書けませんけど、まあ音楽だけでも聴いていってください。


先週のワイルド・マグノリアスから勝手ながらニューオーリンズ特集に入っております。
いやはや新録音源紹介シリーズって書いてていまいち燃えないし、読んでる人も読み飛ばすスピードが速いような気がしたのでたまらず早めに切り上げました。
それでもいちおうファンクとかソウルとかを少しでも前に進めていかんと。昔の人とおんなじことやっとってもラチあかん。という気概が感じられるアーティストだけ選んで取り上げてたつもりですけどね。


さてニューオーリンズ。
ニューオーリンズってなんか豚骨ラーメンとかイカの塩辛と同じで、独特のクサミみたいなもんがあって(もしくはクサミがあるという先入観があって)、それが大好きな人もいればどうにもダメな人とか体調いい時はOKというひととかいると思うんですが、今日のウィリー・ティーなんかはまったくクサミなしで楽しめる推薦盤です。

実にモダンな感覚と、すごく可能性のある音楽的ポピュラリティを持っていた人だと思うんですけど、あんまりヒットには恵まれなかったみたい。
この曲だってめっちゃキャッチーですけどね。

The Gaturs - Cold Bear

いわゆるオルガン・ソウル・ジャズのコテコテ感とはかけ離れたヌケの良さ感じますよね。
続いてベース・ラインがキング・カーティスのMemphis Soul Stew似のこれ。

The Gaturs - Gatur Bait

このウーリッツアーの濡れた感じのディレイ?が、ミーターズの渇いたサウンドと好対照で素晴らしいという話。
むしろミーターズの方がロック的に響く気がしてきますね。

Gaturという名前は、NO名物のワニ(Gater)とかけてあるのかも知れませんけど、もともと60年代に自主レーベルを始める際に、ウィリーの名字TurbintonといとこであるUlis Gainesという設立者の名字を合体させてこうなったとか。
その後バンド名にも使いだしたという感じですね。

続いて突き抜けてソウルフルなこちら。

The Gaturs - Funky Funky Twist

個人的にヤられるキラーチューン。
歌唱も悪くないと思います。

ゲイターズでは結局アルバムはリリースされませんでしたので、音源としてまとまったものを聴くにはTuff City社Funky Delicaciesシリーズから94年にリリースされた上のジャケのコンピを聴くしかありません。

しかも再発時にマスターテープが無かったらしく、すべて7インチ・レコードから起こした音源なので音質はモコモコしてたりジャリジャリいったりしておりますが、そこは内容の濃さに免じて笑って許すべきところです。

さらにはそのコンピCDも現在では廃盤、安い中古CDを探すかiTunesでデジタル音源を買うかしかありませんけど、まあCDの方にもロクなクレジットは載っていないのでデジタルでもじゅうぶんちゃうかな。

ウィリー・ティー名義でのアルバム『I'm Only A Man』(Capital, 1970)からも1曲どうぞ。
こっちはCDも再発されたばかりで、音質もバッチリ。

Willie Tee - Mirror 

このアルバムの音作りはデヴィッド・アクセルロッド色が強いですね。

キャノンボールに気に入られてCapitalで制作したインスト・アルバムは結局お蔵入りになったと言いましたけど、近年その未発表アルバムのテープが発見されたとかで、いずれそのうち世に出るんじゃないでしょうか。
それがウィリー・ティー自身のプロデュース作品とかだったら・・・想像するだけでチビリそうになります。

むしろこのヴォーカル・アルバムはインストがお蔵になった代わりに契約を満了するために予定外にリリースした、という感じもしますね。

ゲイターズ関係話は以上。
来週に続きます(マジ)。



あと、先週サボったので、ワイルド・マグノリアスの音も少し。

Wild Magnolias - Handa Wanda

パンチ力ではファンクの歴史上屈指じゃないでしょうか。
アール・タービントンさんのにゅるっとしたサックスがイイ味です。

Barclayとラベルに書いてあるのは、もともとアメリカ盤が最初ではなく、フランスのBarclay社の企画でアメリカでレコーディングされた作品だから。
本来アメリカの会社が自信持って作るべき作品だったんでしょうけど。

Wild Magnolias - (Somebody Got) Soul Soul Soul

本来はマグノリアスのセカンドの『They Call Us Wild』(1975)も必携の作品なんですが。CDはどうやら廃盤みたいです。

下の左から3つ目はウィリーさんの60年代音源中心のコンピ。




<最近買ったCD>
Blog書いてないくせにCDとレコードだけは鬼みたいに買ってます。

V.A. / Eccentric Soul: The Forte Label (Numero)
JBバンドのソウル・シスターNo.1のマーヴァ・ホイットニーさんはJBバンド卒業後の70年代、地元カンザス・シティに戻って結婚しますが、その旦那がやってた小さなレーベルがForteレーベル。
その超マイナー音源をNumero社が丁寧にコンパイルしたもの。
マーヴァさんの曲も3曲収録。
70年代中盤とは思えない怒イナタイ音に目眩がしました。




Myron & E / Browdway (Stones Throw)
アメリカ黒人シンガーデュオのマイロン&Eさんが、フィンランド屈指のというか欧州屈指のヴィンテージ・ファンク・バンドであるソウル・インヴェスティゲイターズとセッションを重ねたデビュー盤。

インヴェスティゲイターズのホームであるTimmionレーベルから最初のシングルが出たのはもう4、5年前のことでしょうか。
超ゆるーいソウルがかなりお気に入りで日本でも出したいとか考えてたんですが、その後米国Stones Throw社が世界発売権を獲得、長らく待たされた末にようやく発売になりました。

以前のシングル曲とかはもちろんバッチリなんですが、待たされた分の期待を埋めるほどの新曲はなかったような気が。
でも初めて聴く人にはいいんじゃないかな。
ジャケはもうちょっとなんとかならんかったんか。




Derrick Hodge / Live Today (Blue Note)
ロバート・グラスパー・エクスペリメントのメンバーであり、ジャズの最前線からR&Bやヒップホップ・アーティストのバックアップまでひっぱりだこのベーシストの新作。

グラスパーさんの路線でセンスいい音でした。
けど、やや素材集みたいな感じのアイディアいっぱつ曲が多くて、もう少し頑張って曲として練り上げたらもっと良かったのに、と思いました。
そう言いつつもう3回くらい聴いてます。
あと5回くらいは聴きそうな気がします。




Herb Geller / American in Hamburg - The View From Here (Tramp)
ジャズ・マニアのひとなら馴染みの西海岸系のアルト・サックス奏者、ハーブ・ゲラーさんの70年代欧州録音。
昔からクール派というよりもソウルフルな音で吹く人でしたが、ここでもジャズ・ファンク〜ジャズ・ロックをファンキィに料理しております。
ジャズ・ファンク・ファンは要チェックな好リイシュー。



とりあえず今日は以上。
気力があればまた頑張ります。

それにしても最近Amazonの輸入盤高くない?
仕方なくAmazonのリンク載せてますけど、Amazonなんかで買わない方がいいですよ。


2013年8月16日金曜日

2013/8/15のFunk 裏 Recommend

まいど。

やあやあ、実に2週間ぶりのBlog更新になってしまいました。
もしかして何度か観にきていただいていたりしたとしたら、たいへん申し訳なかったです。
毎週更新予定のところが先週はすっとばしてしまったうえに、その前はあとで書き足しますとか書いときながら放置状態だったというズボラぶりでした。

なんでかと言いますとですね、お盆進行が悪いんだよっ!ということに尽きます。
先週までずっと9月発売の商品の入稿作業を必死でやっておりまして、普段以上に締切までが短く、余裕が無い状態でありました。
週末に作業が一通り終わったところで放心状態、そしてお盆休みで実家帰省、帰省一日目にして墓参りとか寺社参りなどなど、やるべきことをだいたいやりつくしてしまってイマココ、という感じでございます。

カネだすのは親だと知って調子に乗ってうな重とか食べちゃったよ。


今週のFunk 裏 Recommend

FUJI ROCKに行ったトランペッターの先輩が「マジ出音がハンパ無い!」と感動ツイートしていたホット8ブラス・バンドを取り上げてみました。

冒頭のプロレスの話、なんのこと?って思った人がもしいたとしたら、トゥームストーン・パイルドライバーという名前のワザがありまして、パイルドライバー(脳天くい打ち)系のワザのなかでもドリル・ア・ホール式とならぶメジャーワザなのでした。
こんな感じっす。

「ツームストーンパイルドライバー」で動画検索すると、素人さんたちが自宅で撮影したなんちゃってパイルドライバー動画がたくさん出てきて、アホかと思いながらそういうのを観てると少しだけシアワセな気持ちになった終戦記念の日です。
みんな座布団ひいてるのがカワイイ。

ではホット8ブラス・バンド。
2007年のデビュー以来アルバム3枚発売済みですが、最新作『Tombstone』のティーザー映像から。


ニューオーリンズのストリート臭、みたいなものがすんごい漂いますね。
それがなによりの魅力なのかも知れません。
無駄にみんなガタイがイイというか無節操に太ってるところとか。
続いて最新作からのPVが無いみたいだったので前作のPVでも。

Hot 8 Brass Band - Ghost Town (from "The Life & Times Of...", 2012)

バンドのデビューのきっかけになったのはマーヴィン・ゲイの「Sexual Healing」って曲を彼らがカヴァーして、それのアナログがどういうわけかクアンティックに手渡され、それをクアンティックがDJでかけていたのをTru Thoughtのボスが耳にして誰やねんこれ、となったという話。
そのカヴァーがこちら。

Hot 8 Brass Band - Sexual Healing (from Rock with The Hot 8, 2007)

ブラスバンドなんで限界はあるとしても、センスいいカヴァーですね。
個人的にはブラスバンドものはふだんそんなに聴かないけど、フェスとかステージ観るのは最高に楽しいですね。




あと、今更なのですが先週すっとばしたクアンティックのやつも反省をこめて。
現代版ハーレム・リヴァー・ドライヴ?な感じのこちら。

Quantic Soul Orchestra - Panama City

60年代末のスパニッシュ・ハーレム感満点のラテン・ファンクでシビレますね。
ちなみにハレーム・リヴァー・ドライヴというのはエディー&チャーリー・パルミエリというNYラテンの大物によるラテン・ファンク・グループのこと、とかこの辺はもう説明無しで良いレベルなのかどうかがいまいち分からない。

クアンティックは昔からイヤミが無い優等生と言うか、ハズレが無いほんとの天才肌というか、DJでコレクターという普通だったらただのオタクかマニアで終わってるところが、楽器ができてセンスが良くて人柄もよい、という出来杉くんケースなのですが、メロディもほんとイイ曲書くので穴奴隷、というかあなどれない。

この曲とか。

Quantic Soul Orchestra - Super 8

クアンティックもいちおうAmazon貼っときますが、いっぱい名義あるので本格的に探したい人はQuanticで検索してまずはベスト盤とか買ってみるのがいいのではと思います。




<今週の余談>
更新サボったおわびに今日はここだけの音と映像をご紹介したいんですけど。
先日ネット経由で売り込みメールを送ってきた知らないインド人アーティストの方があまりに強烈だったので、本人に無断でこういうのはあまり良くないと思うのですが、興味ある方はまず音源を聴いて、そのあと映像を観てあげてください。

特にYouTubeの自作映画?の方は50分もあるんですが、もしかしたらこの人は解脱してすごいレベルにある人なんじゃないか、と思わせる超越度でした。
いやあ、世界の広さって想像を絶してますよね。

Bandcamp(音源が聴けます)
YouTube(自作映画が観れます)



では今夜はこの辺で。
また頑張ります。


2013年8月1日木曜日

2013/8/1のFunk 裏 Recommend

まいど。

※今週から余談コーナーはエントリのいちばん最後に書くことにしました。
いずれにせよたいした余談ではありませんのであしからず。

今週のFunk 裏 Recommend
現代ファンク最前線なのになぜあのバンドやあのバンドも紹介しない?、と思われているかもしれませんが、何度も言ってる通り、連載のコンセプトが「ホーンが入ってるファンク」なので、基本的にホーンが入ってないバンドは除外しております。

今週も最初はフィンランドのザ・ソウル・インヴェスティゲーターズのデビュー盤について書こうと考えてたんですけど、いざ聴き直してみたらホーンが入ってなかったのでやめました。
もうすぐ来日公演があるザ・ヘリオセントリクスのことも書きたかったんですけど、ちょっと違うかなと思い直してやめました。

ほんとは書きたいんだよ。

でもまあみんなバンブースくらい取っ付きやすい方がいいすよね。
とうわけで話題の「Tighen Up」からどうぞ。
前にもこのBlogで紹介したと思うけど。
「最前線」なのになぜ最新作を紹介しない、というツッコミにはうすら笑いでやり過ごす所存ですのであしからず。

The Bamboos - Tighten Up

このシングルだけTru Thoughtsじゃなくってケニー・ドープさんとケブ・ダージさんがやってるKay-Dee Recordsからの発売というところがニクい。
そしてお馴染みの声ネタとかナシでクールにやってるところなんかもニクい。

しかし誕生から四半世紀以上過ぎてまだインパクトを失わないこの曲の破壊力たるや、という話ですよ。

他の曲もどうぞ。
アリス・ラッセルさんをフィーチャーしたアルバム・オープナーです。

The Bamboos - Set It Up feat. Alice Russell


あとは最近のアルバムからも。
なんか風格出てきましたね。

The Bamboos - I Got Burned feat Tim Rogers (from Medicine Man, 2012)

なんか2000年代前半にディープ・ファンクやってた人たちってみんなこういう小唄系ソウルに行っちゃってますね。
欧米のトレンドなんだと思うけど。


バンブースのリーダーのランス・ファーガソンさんは貪欲な人で、バンブース以外にもたくさんのユニットをかけもち中。
オルガン・トリオのクッキン・オン・スリー・バーナーズとか。

Cookin On 3 Burners - Cars (from Soul Messin', 2009)

一人ユニットのLanu(ラヌ)とか。

Lanu - Beautiful Trash (from Her 12 Face, 2011)

この人やっぱモッズ魂みたいなもの感じますね。

以上、今週のRecommend終わり。

余談コーナー書くつもりだったけど、とりあえず時間無いから先にアップしておこう。
あとで付け足す予定です。