2013年9月30日月曜日

2013/9/26のFunk 裏 Recommend

まいど。
すっかり過ごしやすい気候になったもんで、毎年のことながらせっかく3ヶ月も4ヶ月もかけてゆっくりあったかくなったのに寒くなるのはほんとにあっという間ですね。
七分袖のシャツなんて着る暇もないくらいに。

この数日何だか分からないがやってないような気がする。
と思い続けてたんですけど、このblogを書くのをすっかり忘れていただけでした。
なんとか日曜の夜中に更新できて良かったです。


今週のFunk 裏 Recommend
リー・ドーシーさんの回でした。

先週のドクター・ジョンさんの声はどちらかといえばオレにとってにわかに何かを警戒させるような声でしたけど、ドーシーさんのそれはまったく逆で、警戒していた心や凝り固まっていた気持ちを解きほぐすみたいな声です。
じっさいちょっと疲れた時なんかに聴くと、温感湿布みたいにじんわりあったまりますね。

Lee Dorsey - Yes We Can

グラサンで、なんかシースルーみたいなシャツ着て、木に登ってるというイナセがたまらんジャケットですね。
裏山でこんなおっさんいたらとりあえずヌシ(主)って名前付けるはずです。

そしてこのバンドの音といったら。
ベタッと塗り込めるんじゃなくて、必要な場所にだけ色をつける感じで、しかもそれぞれの色が邪魔しあうことなく自己主張しながら役割を全うしてる感じで、そしてそれがひとつの立派な絵になってるという、あんまりうまいこと言えませんが、あまり他に無いサウンドだと思うのです。
ツーさんすげえなと。

続いてもっともファンク的な曲。

Lee Dorsey - Gator Tail


衝撃的なスカスカさですね。
もはやアシッドといってもいい程に。
ジガブーさんのドラムの迷いの無さにもしびれ節です。
めずらしくファンク的なコード進行だと思う。

Lee Dorsey - Who’s Gonna Help Brother Get Further

この曲はツーさんの新作でもセルフ・カヴァーされておりますが、たしかエルヴィス・コステロとのアルバムでも歌ってました。
外人が好きそうな曲。

ついでに、炭坑で働くおいら、という題名の66年のヒット曲も。

Lee Dorsey - Working in a Coal Mine (from Working In The Coal MIne, 1966)

ノベルティ歌手だけあって労働者の悲壮感とかまったく無いところが良いです。

なんか廃盤で高くなってますけど、もっと安く中古で出てると思います。
いちばん右のは78年の最終作(これもツーさんプロデュース)とのカップリングなのでお得かもしれません。





<今週の出てますよ>

ツーさんの新作も出たばかりで話題ですけど、ツーさんが半分プロデュース担当したクラウディア・リニアという黒人女性シンガーの唯一の作品がワーナーさんの名盤探検隊シリーズの新ラインナップで世界初CD化されたのもちょっと話題です。

Claudia Lennear - Everything I Do Gonna Be Funky (from Phew!, 1973)

モロにツーさん節なのが最高ですね。
チャック・レイニー(el-b)、ジム・ケルトナー(ds)というバックも豪華。
3年後くらいには入手困難になってる気がしますので、気になる方はぜひ。

関係ないですけど、裏ジャケ見るとクラウディアさんはかなりの巨乳です。
たぶんこういうアホなひと言が購入を迷ってる人にとっての最後の一押しになるんだろうなあ。
今なら1200円です。


あと、今回の名盤探検隊のラインナップで個人的にうれしかったのはトニー・ジョー・ホワイトの初期3枚。
ジャンル的にはスワンプ〜サザン・ロックの人になるかと思いますが、太くて低い声とソウルフルな歌唱、そしてファンキィなバンド・サウンドはかなりファンクの影響が見られるし、許容範囲の広い黒人音楽好きもイケると思います。
繰り返しますが今なら1200円です。

Tony Joe White - Elements And Things (from ...Continued, 1969)

でもCDの値段なんて相対的に考えても1200円くらいが妥当だよね。
邦楽の3000円とかは、あれなにかおかしいと思う。




すみませんが今週はこんなところで。
また来週頑張れるかな。


2013年9月20日金曜日

2013/9/19のFunk 裏 Recommend

まいど。

来週発売になるという「ガリガリ君ゆず味」が楽しみで仕方ない今日この頃ですがみなさまいかがお過ごしでしょうか。
セブンイレブンで売ってる「愛のスコールのアイス」といい、「マンゴーそのままのやつ」といい、最近のコンビニアイスは油断もスキも無いですね。

それとは関係ないんですけど、どうにも日頃から酷使しまくっているMacBook Proの死期が近いらしく、スペースキーがガタつく、トラックパッドが押したまま戻って来ない、ハードディスクの残り容量が2ギガくらいしかない(これは自分が悪い)、などの不具合ストレスで文字を打つモチベーションが非常に低下しており、今日もあっさりした更新で終えることをお許しください。


今週のFunk 裏 Recommend
まもなく来日公演のドクター・ジョンさんの巻でした。

告白すると、割と最近までドクター・ジョンさんのこと苦手だなと思っておりました。
やっぱあの声のせいでどうにものめり込めないと。
けど近頃は「ボブ・ディランがニューオーリンズっぽい曲を歌ってるんだ」と仮想することによって割と気軽に聴けるようになりました。
すいませんちょっとだけウソ入ってます。

では今日のアルバムの1曲目から。
Dr. John - Right Place Wrong Time

いた場所は正しかったがタイミングが悪かった、だから君とうまくいかなかった、という歌詞です。
何か暗喩があるのかも知れません。

続いてジガブー・モデリステさんのドラムがひたすら心地よく最高なこちら。

Dr. John - Life


ドラムだけ聴いてても飽きないよね。
このスウィング感どうよ。

続いて名曲「Such A Night」をライヴ映像で。



ヒゲそったらいいのに。

ジャケの画がどうのこうの言う話は、画像検索でもして見ていただければと思いますが、まあヒット・アルバムとは思えない奇天烈なイラストです。
オリジナルLPは3面見開きジャケットで、裏にハエの気持ち悪いイラストがどーんと載ってます。

それがこちら。
アルバム全曲試聴できるみたいですよ。

Dr. John - In The Right Place


いまならワーナーさんの太っ腹シリーズでこのへん1枚1200円です。
解説、歌詞、対訳付なのでお買い得と思います。
『イン・ザ・ライト・プレイス』と『ガンボ』買っとけばニューオーリンズの1/4くらい手に入れたも同然です。
すいませんまたウソ言いました。



<今週の出てますよ>
■Earth Wind And Fire - Now, Then & Forever
言われんでも知っとるわいという話だと思いますが、アース・ウィンド・アンド・ファイアさん8年ぶりの新作が出ておりまして、サンプル盤をいただきました。

「原点回帰」と謳ってありますが、実に1980年前後のサウンドそのものみたいな感じで実際結構楽しめました。
おとなが楽しめるロマンあふれる作品かと思います。
なんだかたくさんヴァージョンがあってどれがいいのか分かりませんが。


■New Zion Trio - Chaliwa
タワレコ様のジャズ売り場で推しておられた輸入盤。
ピアノ・トリオをレゲエ/ダブ化というか、ピアノ・トリオのフォーマットでダブをやってみました、という感じのユニットの新作。

もう少しインプロというかアドリブも多かったりするのかと思いましたが、思いのほかミニマルな展開でそれはそれで悪くない。
ジャズは反復だとおっしゃったエリントン先生の言葉を思い出しました。
レゲエとかダブを聴かないジャズ・ファンには少し退屈かも知れませんけど、むしろテクノとかエレクトロニカとか聴く人にとってはバッチリじゃないでしょうか。
おしゃれだし、繰り返しのリスニングにもイケる音です。
わりと推薦。
こんなの聴いてる女の子がいたらそれはそれで惚れる(赤面)。



では今日はこのへんで失礼します。
また頑張りますね。

2013年9月13日金曜日

2013/9/12のFunk 裏 Recommend

まいど。

10月1日の天下一品祭りのことが気になって仕方ない今日この頃ですが、何とかして昼夜2食いけたりしないものかしら。


今週のFunk 裏 Recommned
アラン・トゥーサンのどれを紹介するか、迷いに迷ってこちらに落ち着きました。
迷い癖のあるオレみたいなもんは結局のところあれもこれもって欲張りなんだと思います。

でもやっぱりファンク好きなら『Southern Nights』よりこっちかもね。
眼鏡キラッ〜ですから。
1曲目からです。

Allen Toussaint - Victims of the Darkness

ドラムはミーターズのジョセフ“ジガブー”モデリステさんでしょうか。
ちょっと革命的なドラムですよね。
憎たらしい感じの。

トゥーサンさんの声は何ていうのかな、普段は引きこもってます、みたいな感じのナイーブさがあっていいですね。
ロック・ファンにも好かれた理由が分かるような気がします。

Allen Toussaint - Goin Down

この引きずるみたいな重いドラムが相当いいです。
セカンドビートも取り入れつつ、なんとファンキィなんでしょう。
ほれぼれしますね。

ホーンのアレンジも素晴らしい。
この時期ツーさん(略しました)はザ・バンドのホーン・アレンジもやってたくらいなんで。
ホンカー風のサックスはゲイリー・ブラウンさんだと思います。
もう1曲だけ。

Allen Toussaint - Soul Sister

曲が良すぎてファンクにしとくのは勿体ない、なんて書くと怒られるでしょうか。
でもかなりポピュラーな可能性感じるメロディですよね。

以下、重要作3枚。
いちばん左が72年、ミーターズがいたRipriseと契約を交わした最初のアルバムで通算3枚目のアルバム。
その右が75年の通算4枚目で最高傑作と名高いやつ。
その右は70年のソロ宣言作、な感じです。

その他58年にわずか20歳で吹込んだゴキゲンなピアノ・アルバムがありますけど、まあこの3枚聴いとけばニューオーリンズの半分くらい手に入れたも同然です(ウソ)。



次の来日があったらオレも絶対観に行くから。



<今週のライヴ・レポート>
来日といえばここ最近ピアノ・トリオ2連ちゃんで観に行きました。
エンリコ・ピエラヌンツィさん、ヘルゲ・リエンさんです。

エンリコさんは多分64歳とかなんですけど、若い頃から比べてほとんどタッチの衰えというものを感じさせない軽さ、素晴らしいキレのよさでした。
ビル・エヴァンス系とか言われてるけどそんなにエヴァンスどっぷりじゃなくって、本質的にはバド・パウエルから綿々と続くビバップの系譜上にあって、そこにエヴァンスとかマッコイ・タイナーとかキース・ジャレット的な要素をうまく取り込んで、ヨーロッパ的な風土で熟成させた感じ。
そう、すごくヨーロッパな気風みたいなものは感じましたね。
ねっとりドロドロというのが皆無なさっぱり風呂上がり系の気持ちよさでした。

逆にまだ若いヘルゲ・リエンさんは完全に耽美派というか、もっと現代的な音楽でした。
ノルウェイの人ですけど、現代音楽とかクラシックの匂いが強かったです。
『To The Little Radio』(2006)というアルバムを死ぬほど聴いたのですが、あれよりももっと好き勝手な方向に深化してましたね。
それはそれで悪くなかったです。

ピアノ・トリオのコンサートは普段よりもオッサン率がかなり高いんですけど、さらに高い確率で演奏中にオッサンが寝てるというのを改めて確認してきました。
ヘルゲさん公演はステージのいちばん前で観てたんですが、向かいに座ってるオッサンが口を開けて爆睡していたのでアーティストが気を悪くしないか、関係ないオレがひやひやしました。
でも本当はオレもエンリコさんで一瞬落ちたけどな。


<今週の聴いてます>
ここ最近ハマッて聴いてたもの。

これは今更ようやっと中古盤を手に入れて初めて聴いて感動したわけなんですけど、Numeroレーベルが2011年に世界初CD化したウィリー・ライトさんのアルバム。
いわゆる黒人フォーク歌手による超レアな77年産自主制作アルバム『Telling The Truth』の復刻です。

フォークっつってもそんなアコギ弾き語りとかじゃないです。
60年代のテリー・キャリアーとかが近いのかな。
黒人SSWによるソウルフルなフォーク・ロックっていう感じじゃなくって、あくまでフォーキーなソウル・ミュージックであるところがいいです。
曲も良ければ朴訥とした歌唱も沁みます。

Willie Wright - Nantucket Island

これみたいにカリブの薫りがする曲が多いのもいい感じ。
20年前だったらきっと、カセットに入れて好きな女の子とのドライブに連れてったよ(赤面)。


もう一枚はまたピアノ・トリオ。
ちょっと前に復刻になったイタリアのピアニスト、マリオ・ルスカさんの74年産アルバムです。
まずジャケットがすごく雰囲気あってよくって、内容の方もピアノとベースの録音が異様にエッジが立った変なミックスで、なんだか斬新なアレンジと響き方と跳ねたリズムでグイグイくる感じがすごく良かったです。

YouTubeに上がってなかったけど、こんな感じです。
ベタなスタンダードばっかりやってるけど、なんか新しくてカッコいい。
みんなこういうピアノ・トリオ演ればいいのに、と思いました。





<今週の2周年>
自分で言わないと誰も褒めてくれないですけど、毎週やってるこの「Funk 裏 Recommend」連載、開始から2年が経過しておりました。
ひとえにサックス&ブラス・マガジン編集部さま、読んでいただいたいる皆さまのおかげであります。
やめろとも言われていないのでもう少し続けさせていただきます。
引き続きのご愛顧よろしくお願いします。


では今週はこのへんで。
また頑張ります。





2013年9月5日木曜日

2013/9/5のFunk 裏 Recommend

まいど。

もう9月だよ!
とか言ってるあいだにひと月なんてあっというまに過ぎ去ってしまうってことをようやく学びつつある今日この頃です。
よ!のあたりでもう15日くらいにはなってますから。

すいません今日は作成時間20分くらいでとりあえず曲紹介だけして終えるつもりなので急ぎ足でいかせてもらいます。
原稿仕事の締切に追われまくっているのです。


今週のFunk 裏 Recommned
そういうわけでニューオーリンズ特集なのにまったく関係ないジョー・ザヴィヌルさんの作品でアール・タービントンさんのことを知ってもらおう企画でした。

アールさんはアフリカン・カウボーイの愛称で呼ばれた人気者。
ステージではアフリカ風のコスチュームが定番だったそうです。
2007年、弟のウイリーさんより1ヶ月だけ早く鬼籍に入りました。

しかしインパクト高いジャケですよね。
ある意味元祖ファンモンな感じですね。
というわけで話題のIn A Silent Wayから。

Joe Zawinul - In A Silent Way

美しくて艶っぽいアルトです。
マイルスの演奏も悪くないですけど、こっちの方のケレン味のなさが好きです。
続いてアルバム1曲目。

Joe Zawinul - Doctor Honoris Causa

いわゆる名盤なんですけど、今回は商業的成功は完全に諦めてやりたいことだけやるからよろしくね〜、という感じの作品ですね。
これぞDeep Jazzだと思う深い作品。

陰気な顔が続いたので明るい奴いきましょう。

Reuben Wilson - Signed, Sealed, Delivered, I'm Yours (from A Groovy Situation, 1971)

たまんねぇな、このスカスカ具合。

ほんとは87年に米Rounderからウィリー・ティーも参加したリーダー・アルバム出してるんですけど、アレはまだCDになってないのかな。
いちばん右のやつは90年代の作品ですけど、聴いたこと無いです。



以上。
あとで付け足しできたら付けたしします。