2013年10月31日木曜日

2013/10/31のFunk 裏 Recommend

まいど。

使っているMacBook Proのトラックパッドが不調だという話はこないだしたと思うんですけど(したっけ?)、今度はディスクドライブが言う事聞かなくなり、CDを読み取らなかったりCDRにコピーすんのを拒否ったり果てにはCDRの挿入さえウィーンと拒絶するようになってきたので、馬鹿馬鹿しいけど外付けのディスクドライブを買ったりしていた今日この頃でございます。

まいったなあと思ってたら今度は自宅のオーディオのCDプレイヤーがCDを入れても全てNO DISCとしか表示しなくなったのでこちらももはやダメみたい。
とか思って自転車に乗ってたら、パーンという結構大きな音を立てて後輪のタイヤが破裂しました。パンクとかじゃなくって破裂。
おまけに歯医者にはこんど入れる銀歯が1万円くらいしますと言われる始末。


これはなんか年末ジャンボとかで大きいのあたる前触れかもしれないと、ポジティブに考えています。涙目で。
聴かないレコード売りに行こう。



今週のFunk 裏 Recommend

相当マイナーな感じになってきてるニューオーリンズ特集ですけど、今週と来週もかなりマイナー度高めなので、このコラム見捨てるなら今がタイミングだと思います。

ジェームズ・ブラックさんは“ノトーリアス”(悪名高い)って呼ばれていた変人タイプのドラマーだったそうです。
なにを読んでもケンカっ早いとか挙動不審とか奇矯な言動が思い出されています。
それでも死後にこうしてコンピが作られたり、有名なアーティストが言葉を残すというのは、やはり人柄が愛されたからなんだと思いますね。

ウィントン以外にも、同じくNO出身のイドリス・ムハマッドさん(ドラム)も、ジェームズは超超超ヒップな曲を書く、それに並外れたドラマーでもある、と書いてますし、エリス・マルサリスの教え子だったハリー・コニック・ジュニアさん(ピアノ)も“凄すぎて演奏についていけなかった”と話していますね。

CD冒頭のこのヘンテコな曲。

James Black - Mist

ジャズなんかファンクなんかわからんビートとか後ろでガリガリいってるギターとか色々ツッコミどころ多いんですけど、そもそもこのテーマ旋律は何?
なんの意味があるのか、どうやって思いついたのかもちょっと不明で、ちょっとブキミでさえあります。

もう1曲ヴォーカル曲。

James Black - There's a Storm in the Gulf

歌ってるのはブラックさん自身と奥さんのシスター・マリーさん。
このユルユルなテンポ設定が良く分からんのと、やっぱりメロディが思いつかない感じ。

YouTubeにはこの2曲しか上がってませんでしたので、他の曲はiTunesで試聴できますので、3曲目の「Tune #6」だけでも聴いていってください。
気合い入りまくるドラムです。

あと、ジェームズさんの写真とか、エリス・マルサリスさんのジャズ・コンボにおけるオリジナル曲演奏とか、英語のバイオとか、このページでたっぷり見たり聴いたりできるので飛んでみてください。

<追記>
FacebookでMaskman先生に教えていただいたこの曲も貼っておきます。
サイコー過ぎるだろ。

Inell Young - The Next Ball Game


またもやCDが廃盤気味で高くて申し訳ないです。



そういえばホーン出てくるファンクってテーマだったってこと忘れつつある。

今日は忙しいのでこのへんで。
また来週たくさん書ければと思います。
見捨てないでくださいね。



2013年10月26日土曜日

2013/10/24のFunk 裏 Recommend

まいど。

一昨日はアラン・トゥーサンさんのピアノ弾き語り独演会に行ってきました。
いやはや、何がアレって75歳とは思えぬ軽い身のこなし、締まったスタイル、30代みたいに聴こえる若々しい声、よどみない力強いピアノのタッチ、とツーさんの若さばかりが目につきました。

音楽ももちろん良かったですよ。
ツーさんの身体の中に絶え間なく色んな旋律が溢れているのがはっきりと分かります。
バラードを弾いていたと思ったらいつの間にか違う旋律に変わっていて、その旋律もまた別の旋律に塗りつぶされていく、という曲芸のような演奏もあったんですが、ともかくそういうスタイルやテンポやコードや歴史やらが混じりあったいろんな音楽全てがツーさんという肥沃な大地の中に息づいているのを感じました。

「Southern Nights」をナマで弾き語りで聴くとそりゃ泣くっちゅうねん。
あとはあの特有のグリッサント攻撃にニューオーリンズ音楽の秘密が隠されてるように思いましたね。
ニューオーリンズ的な流動する精神性のようなもの、とか。
その辺はまだ研究中です。

みっともなく肥えた、いかにも有名人の息子的なダメダメさを漂わせた息子さんがツアーに帯同していて、パーカッションで何曲か伴奏を付けるのですが、もう音も小さいうえにあってもなくても変わらない度合いが甚だしく、あれほど会場全体から「おまえはなんのためにそこにいる」というまとまった集合意志のようなものを感じたのは久しぶりでした。

下手カジュアルシートのいちばん上の列でひとりだったので、途中オナラし放題だったのは内緒です。



今週のFunk 裏 Recommend

今日の一枚ですけど、ずっと前から自分のiPodに入ってて繰り返し聴いてたんで、家にCDがあるものと思って2時間くらいかけて探しまくったんですけど出てこず、泣く泣くもう一枚買おうかと思ってふとiTunesみたら「購入したもの」リストの中に入ってて愕然としました。
なんでオレこんなアルバムMP3で買っちゃってるんだろうと。

ライナーノート読もうと思って探してたのにさあ、なんか持っててもぜんぜんうれしくないよね、MP3って。
そのくせ普段はCDリッピングだけして放置したりするんですが。


さてエディー・ボーさんです。
ボー・ディドリーさんとかボー・カーターさんとかジャズボー・コリンズさんとか、黒人音楽の世界にはボー系の人が多いですね。
とりあえずボーさんのイイ顔貼っとこう。
アフロにすきっ歯という最強の組み合わせですね。


では人気のフック・アンド・スリングから。

Eddie Bo - Hook And Sling

このガチャガチャした感じのドラムがたまらん。
この妙な空間活かしたスキマ感とかシンコペートのバネの強さとか、ちょっとジガブーさんにも似てますよね。
まあ「Cissy Strut」よりかはずいぶん知名度落ちるけど、ファンク強度では同じレヴェルのクラシックかと思います。

続いてNOミーツJB風なこちら。

Sonny Jones - Sissy Walk

これコラムの中でしれっとエディー・ボー作品であるかのように紹介してしまいましたが、じつはエディー・ボー・プロデュースのソニー・ジョーンズという人のシングルであることをのちに教わりました。
もう原稿出したあとだったから直すのあきらめたの。

続いてゴーゴーファンクなこのナンバー

Eddie Bo - If It's Good To You (It's Good For You)


こういうの好き。
普通思いつかないっす。

続いてセカンドラインのスーザフォンみたいなベースラインがいかにもなこちら。

Eddie Bo - Check Your Bucket


以上でした。
ボーさんのCDですが、軒並み入手困難です。
真ん中のやつはスペインの編集盤で、1955年から2007年までのベスト盤的なもの。
でもおいしい曲が抜けてるような気もしますが。

左の奴とかはCD高いですけど、前述のようなわけでiTunesでも買えます。




すいません、今日はあんまり無駄話書いてるとおこられる状況にありますので、このへんで失礼しますね。
また来週頑張ります。





2013年10月17日木曜日

2013/10/17のFunk 裏 Recommend

まいど。

もうすぐ発売になるダニー・ハザウェイの未発表音源含む4枚組アンソロジーについて、解説がつくであろう国内盤を買うべきかもしくは先にリリースされて半分くらいの値段の輸入盤を買うべきか、では輸入盤ならばどこで買うのがいちばん安いのかいろいろ悩んでいるうちに1時間くらいあっという間に経ってしまうという今日この頃ですがみなさまいかがお過ごしでしょうか。

輸入盤はタワレコ様のオンラインがいちばん安いように思っていたのですが、最近になってAmazonがそれよりも100円くらい安い値段でぶっ込んできました。
個人的にはAmazon調子乗んなよ運動中でなるべくAmazon使わないようにしてるのと(それでもいっぱい買ってるけど)、タワレコ様がいつまでも続いてくれますようにという想いを込めてたぶんタワレコ様で輸入盤を買うことになると思うのですが、今回のAmazonのちょっとだけ安くする後だし作戦には特にキタネーコノヤローと思ったのでした。

ちなみに国内盤の場合だとこの商品に限らず芽瑠璃堂様のオンラインで買うのがポイント値引きとかあっていちばんお得かと思います。
サクサク動作するここのサイトは超見やすいうえに新譜情報とか早いし試聴も待機時間無しでできるしストレスがほんと少ないうえに、届いたときにチラシとかフリーペーパーが入ってるのもちょっとうれしいのです。

もちろんディスクユニオン様(同時に中古在庫の有無も見れる)とかHMV様(カタログ豊富でCD以外の本とかも買える)のオンラインもイイです。

あ、でも近所に地元のレコード屋さん、新星堂様とかTSUTAYA様がある人はそこで買うのがいちばんいいですよ。
地元や駅前の商店街がピエリなんとかみたいになったらヤでしょう。

フランスでは町の本屋さんを守るためにAmazonの無料配達とか書籍割引を禁止する法律までできたそうなんですけど、そういうところカッコいいですね。
というわけでこのブログにAmazonのリンクが貼ってあるのは参考にしてください、という感じですから。

今週もツラかった虫歯治療の話をしようかと思いましたが、これ以上ヘタレぶりをさらすのもアレかと思い真面目な話にしてみました。
今行ってるところすごくいい歯医者さんなんだと思うのですが、念入りすぎて心折れそうになるんだよな。



今週のFunk 裏 Recommend
先週に続いてニューオーリンズ・ファンクの裏街道、陽の目を見なかった(けど悪くない)ファンク・バンド、ザ・ファビュラス・ファントムズを取り上げてみました。

と、ここで初めてYouTubeを検索してみたんですけど、2曲しか動画があがってなかったです。
さすが地下アイドル。
こちらはCDの3曲目。

The Fantoms - Take Me There

ファビュラスになる前のただのファントムズ時代のシングル。
72年産です。
あんまりNOぽくないファンクですけど、ギラギラした感じでカッコいいですね。
Power Funksionってレーベル名もイカす。

続いてこちらも72年産のシングル。
CDの2曲目です。

The Fantoms - Junk

ちょっとサイケ風味。
悪くないけど、まあ正直シングルにして売れそうな要素はあんまりないですね。
シングル曲のチョイス間違ってる気がする。

ほかの曲はiTunesのリンクを貼っておきますので、興味ある方はこちらで試聴してみてください。


あと、コラム中で紹介したファビュラス・ファントムズが分裂したバンド、ファミリー・アンダーグラウンドのCDもリリースされております。
なんとこちらも未発表音源含む、国内盤として。
しかも2曲でウィリー・ティーさんがプロデュースを担当。
こんな感じ。

Family Underground - Dr. Music (from Once In A Lifetime)

来週のコラムネタにしようかと思ったけど、またホーンが入ってなかった。
アホーン。



Funky Delicacies社製の輸入盤CDはすでに廃盤でちょっとだけ入手困難ですけど、中古とかを探せば安く入手可能かと思われます。
このレーベルのCDはブックレットのライナーノートはいいんだけどクレジットが超テキトー、マスターが無いのでレコード起こしでCD作るのはしょうがないけどそれでももうちょっと何とかできただろうと言いたくなる音質、けど何となく許せてしまうユルさとマニアックさ、で総合的には「アリ」という愛すべきダメさ加減です。



<今週の出てますよ>
性豪クインシー・ジョーンズさんの数多き元おくさまのひとりであり、のちに女優として活躍した美人ペギー・リプトンさんが20歳そこそこで残した唯一のアルバム(68年)がついにCD化になりました。
世界中のポップス・ファンが快哉を叫ぶであろう待望のCD化です。

自作の曲のほかに、キャロル・キングとかローラ・ニーロのカヴァーをみずみずしい歌声で歌ってますが、バックの演奏も含めてなんというか60年代ああ善きかな、という感じのエヴァーグリーンさで、晴れた日に山の上の草原をあははあはは言いながら手を広げて走り回りたい気分になること請け合いです。

Peggy Lipton - It Might As Well Rain Until September (from Peggy Lipton, 1968)

そして世界中のオッサン達はもう2度と手の中に戻って来ない青春というものの幻影を胸に抱いてかきむしられるような郷愁にとらわれるのでした。
いったい何なんだこの天使は。

このCDも芽瑠璃堂様で購入させていただきました。
定価3,150円とお高いのですが、500円くらい安く買えます。
Amazonよりも安いから。



ではまた来週頑張ります。
そろそろニューオーリンズもネタなくなってきたよ。



2013年10月10日木曜日

2013/10/10のFunk 裏 Recommend

まいど。

今週も歯医者に行って来て、先週神経を取り除いた歯の中の奥の方をひたすらがりがり削って掃除するという施術を1時間くらいかけてやっていただきました。

もう神経は無いので痛みはたいしたことないのですが、口を開けたままつっかい棒で閉じなくされた状態で、それはそれは執拗にゴリゴリえぐりかき出すという数十分で、いやもうじゅうぶんです先生さっきそこさんざんやりましたら間違いないです、と心の中で念じまくっているのも届かず、さすがにそれ以上やられたら精神が壊れるかこんな柔和なオレでもぶち切れるかどっちかですよ、という一歩手前まで続いたわけです。
ゴリラだったらウォー!っつって胸どんどん叩いてたところです。

先週みたいに「この先に予定しているすごく素敵な出来事」を想像するのは意味ないと分かっていたので、今週はさらに妄想力を動員してきて、今ゴリゴリ酷いことやられているオレの手をがんばれがんばれってかわいい娘が応援しながら握ってくれている、と便宜的に仮定することにしました。
もちろん施術台に横になったオレの腹のうえには自分の右手と左手が組み合わさってる状態でしたが。

それで脳内でいろんな手を握ってくれる女性を試しまして、最終的には「優香似の看護婦さん」というところで軟着陸したのですが、いったい左手か右手かどちらが優香似の看護婦の手なんだろう、どちらの手のひらもおっさんのようにごつごつしているのに、と考えているうちにキビシい時間帯も過ぎ去っていきました。

施術中に歯科助手の女性が手を握ってくれている歯医者、というのがもしあればすごく繁盛すると思うんですけど、ダメですかね。

眠くなるようなどうでもいい話ですいません。
ガリガリ君の新味の噂がシチュー味でそりゃちょっとデンジャーすぎる話とか、赤坂見附の駅で久しぶりに巨大食パン(プレーン)食べてる若者を見かけた話とかしようかと思いましたが、また次回にしますね。


今週のFunk 裏 Recommend
すいません今週の原稿に太字をつけるのを忘れていました。
さっき更新されたの見て愕然としましたけど、もう遅いよ。

今日のは一般的にはマイナーなバンドでしたけど、音的には相当好みです。
ニューオーリンズ界の地下アイドル・グループって感じです。

さっそくいちばん好きな曲から。
このドラム、額に入れて飾りたいほどスキ。

Sam & The Soul Machine - Po'k Bones & Rice


なんでしょうね、このチキチキの裏にひそむグルーヴの魔窟みたいなもんは。
なぜこんなに揺らされるのか、なぜこんなに惹かれるのか、なにがそこに詰まってるのか。

後半のゲイリー・ブラウンさんのしゃくりあげなサックスもすばらしい。
音程とかタイム感とかビタッて感じです。
セクシーでヤクザー。
箱バンではかなり曲芸まがいのブロウイングしてたらしいですよ。
なのに一糸乱れぬ感じだったらしい。

続いてニュー・マスターサウンズがパクりそうなやつ。

Sam & The Soul Machine - Thesis

短いのがいいよね、なんてったって。
ソロとか1コーラスでじゅうぶんって分かってるもんね。

ところでレコーディングしたけど国税局に差し押さえられたというのはコジモ・マタッサ(Cosimo Matassa)さんのスタジオ。
変な名前だけど、知る人ぞ知る初期ロックンロールやR&Bの重要作を生み出したNOが誇る名スタジオなのです。

で、差し押さえられたスタジオには本作のマスターテープがあったんで、それも没収ってことになったそうなんですが、サム・ヘンリーさんが几帳面なことにテープのコピーを自宅に持ち帰っていたらしい。
それでこの復刻が、割と良い音で聴ける、ということです。

サム乙って感じですね。
ちなみにまだサムさん現役です。

ところでちょっと不思議に思ったのはこの未発表アルバムってアーロン・ネヴィルとシリル・ネヴィルのヴォーカルが入ってないのはなぜなんでしょうね。
そのために作ったバンドだったはずなのに。

あとで歌入れする予定だったけどスタジオが使えなくなった、ということではないような気がするし。
やはり当時ミーターズのシングルがちょっと売れたんで、アラン・トゥーサンが同じようなインストR&Bを要求したのかも知れませんね。

では後日の録音でヴォーカル入りのやつを。
CDの13曲目に入ってます(12曲目までが未発表アルバム)。

Sam & The Soul Machine - Get Down Part.1


ちょっとCDのクレジットが超テキトーで分かりませんが、このヴォーカルもネヴィル兄弟ではないような気がする。
たぶん兄弟はこのレコーディングの前に抜けてたんじゃないかな。
でもファンキィでカッコいいですよね。

サム&ザ・ソウル・マシーンはその後ナッシュビルに出稼ぎに行ったりして食いつないでたそうですが、ほかの同じようなバンドと同様ディスコ期にさしかかって解散を余儀なくされたそうです。

このCD、2002年にFunky Delicaciesというレーベルから出ましたけど、もはや廃盤でございます。
Amazonのマーケットプレイスだとまだ2,000円で買えますけど、そうじゃなければ探すのたいへんなのでお早めに、です。

サム・ヘンリーさんの2010年のソロ・アルバムも一緒に貼っときます。
なにげにドクター・ジョン、シリル・ネヴィル、ゲイリー・ブラウンなど参加です。
ここで試聴できるけど、1曲目がCome Togetherというのはちょっと違うんじゃないかな。




ほんとうは<今週のでてますよ>に行こうと思ってましたが、来週の方がたぶんゆっくり書けるんで来週にまわします。

また頑張ります。






2013年10月3日木曜日

2013/10/3のFunk 裏 Recommend

まいど。

今週は月曜から虫歯の神経治療を1時間くらいかけて入念にやられて帰宅後疼痛にのたうちまわって以来、ブルーな気分がとまらない今日この頃なんですがみなさまいかがお過ごしでしょうか。

あの神経抜かれる時の、明らかにネジ状のものを奥までキリキリとネジリ入れられてグイッと抜かれるのを執拗に何度もされる感じ、本当に死にたくなりますね。
「この先に予定している何かすごく素敵な出来事を想像してこの苦境をやり過ごそう」と診察台のうえで目を閉じて考えましたが、予定されている素敵なことがどれだけ考えても浮かばず、さらに死にたくなりました。


今週のFunk 裏 Recommend

大定番ミーターズのこれまた大定番作を恥ずかしげもなく取り扱わせていただきました。
でもこのコラムは初心者向けって設定ですので、ソウルファンク上級者の方はふーんという感じで鼻くそでもほじりながら見ていただければありがたいです。

ミーターズ、本当はJosie時代のどれかを取り上げたかったんですが、例のごとく通りホーンが入ってない問題があったのでやむなくこちらになりました。
あくまでミーターズの真髄というかいちばん濃密な時代はJosieだと思うんですけどね。

昔はJosieの作品もベスト盤とかでしか聴けなかったんですが、最近は廉価盤も出されたり入手しやすくなりましたなあ。
というわけでまずはJosie時代のやつからお聴きください。

The Meters - Cissy Strut (from The Meters, 1969)

やっぱいちばん有名なのはファーストからのこの曲ですね。
Cissy(Sissy)ってのは女々しい男を野次る意味なんで、曲名はオカマ歩き、みたいな感じでしょうか。
なんでそんな曲名なのかは知りませんけど。

もうひとつのヒット「Sophisticated Cissy」はアカ抜けたオカマ。
「Chicken Strut」(ニワトリ歩き)って曲も有名。
Josie時代は曲名もジャケットもかなり適当な感じでそこがまたイイです。
しかしこんな地味なインスト、よく当時チャートインしたよね。

Josie時代のミーターズは結構売れてたんですが、71年になぜかレーベルが終了、そこで移籍となったそうです。
メジャーRepriseに移ってのいっぱつ目は巨大キャベツのジャケが斬新な『Cabbage Alley』(72年)で、続くアルバムが今日の『Rejuvenation』(74年)。
たぶん前作から2年空いちゃったので、再活性化、みたいなタイトルなんでしょう。

The Meters - People Say

コラムにも書きましたけどアルバムの邦題は『ニューオリンズ・ファンクの覇者』で、この曲の邦題が「ファンクに夢中さ」。
歌詞の中では貧困や格差といった社会問題について歌っており、ファンクに夢中になってる場合ではないと思われます。
オレもこういう邦題考える仕事したかった。

The Meters - Hey Pocky A-Way

純正統派ニューオーリンズ・ファンクといった感じ。
特にピアノ弾かれるとモロな感じですね。

これも名盤のわりには褒められたジャケットじゃないんですが、というより俗悪の類いに入る一枚だと思うんですが、なにげにミーターズの前作のキャベツとかツーさんのアルバムとかがソファーにわざとらしく置いてあるのがミソです。
表ジャケットも広告スペースに使ってしまうというアイディア。
あまりこういう風に別の作品のジャケが写ってるジャケってないですよね。

Reprise時代のミーターズはこれと、次の『Fire On The Bayou』が定番とされています。
それ以降2枚のアルバムはツーさんとの確執だったり、レーベルとのいざこざだったりもあって、あまりミーターズらしい良さというのは発揮されてないと思います。
『New Directions』はタワー・オブ・パワー・ホーンズが参加してるけどな。

まあともかくミーターズ入門としてはJosieの作品どれか、もしくはその3枚がコンプリート収録されてシングル曲とかまで入った『Here Comes The Meter Man』って2枚組を推薦します。
なんというか、聴けば聴くほどスルメ的な味わいで深さが身にしみる、病みつきになる、ニューオーリンズのぬかるみにハマりだす、という感じ。
オレの場合ジガブー先輩のドラムばかり耳で追ってしまいますが、クリエイティヴって実にこういうドラムのことだよね。




<今週の出てますよ>

ギター/ジャズ・ファンクもの。
オリジナル盤をずっと欲しいと思っていたフォルカー・クリーゲル(g)の60年代作品がCD化されました。
ドイツのギタリストです。

個人的に偏愛するデイヴ・パイク・セットに参加したり、その他欧州ジャズ・ロック・シーン飾ったさまざまなバンドで活躍した人。
超ざっくりいえばラリー・コリエルとかジョー・ベック的な存在でしょうか。

初期(68年録音)なので、シンプルなジャズ〜ジャズ・ロック的な演奏が中心です。
CDの音がめちゃくちゃ良くて、コリコリしたフルアコの音色が飛び出してくるようです。
当時のガボール・ザボのImpulse盤とか近いですけど、あんなにヘナヘナしてなくてキリッとしてるところがイイです。

さらに初期の未発表作品集とかも出ましたね。
そっちはまだ買ってないです。
あとオリジナルLPも高くて買ってないです。

アルバム音源探したけど無かったので、これはデイヴ・パイク・セットの69年映像。
デイヴ・パイクってビル・エヴァンスと一緒に『Pike's Peak』作ったあの人ですよ。





ひとまず今日はこのへんで。
また来週頑張ります。