2012年6月2日土曜日

2012/5/31のFunk 裏 Recommend

まいど。
更新遅くなりましてすいません。

どうでもいいことですが昨日結構混んでる電車に乗ってたんですけど、横に座ってた30代くらいの白人女性のまあまあキレイ目な人がヒザのうえに置いたバッグの中の紙袋からひたすらイチゴを取っては食べ取っては食べしていたのが軽く衝撃的でしたね。
ふつう電車の中でイチゴ食べる?  

外人さんって自由ですよねという話です。

以前には手ぶらで片手にリンゴいっこを持ったジーパンにTシャツの白人男性若者が動いてる電車ん中でつり革につかまりながらおもむろにリンゴかじってるのを見たことがあります。
おまえもしかして家出るとき荷物も持たんとリンゴいっこだけ持ってぷらっと出てきたんかい。
もしくは行きがけに八百屋でリンゴいっこだけ買うてきたんかい。
それよりおまえそれ食べ終わったら芯どうするつもりやねん。
食べたあと手ェどこで洗うつもりやねん。
どんだけ自由やねん。
と思いながら見ていたのですが、ちょうど食べ終わる頃に列車が新宿に着いてその若者も大勢の人に混ざって降りていって見えなくなりました。

でももし家か八百屋にバナナしかなかったら彼はリンゴではなく手ぶらにバナナを持ってぷらっと電車に乗り込んでそれを食べたのかも知れない。
それで新宿に着く前に食べ終わってバナナの皮だけ持って立っていたのかも知れない。
と思うとリンゴであっただけまだマシなのかも知れない、という気持ちになりました。

ものは考えようということですね。
アップルだけにThink Differentですね。


背筋が凍る思いをしましたので先に行きますね。

また亡くなったシリーズで恐縮なのですが、おとつい亡くなって残念だったのがピート・コージーさんです。
70年代中盤のアガルタ/パンゲア時代のマイルス・デイヴィス・バンドにいて凶悪なギターを鳴らしていたあの人です。
フィル・アップチャーチと同じくシカゴ・ネイティヴです。

マイルス・バンドでのプレイは聴いたことある人多いんちゃうかと思うのですが、個人的にはマディ・ウォーターズがサイケ・ロック化したので有名な『Electric Mud』とかのバックでのヤサグレた音を聴いて欲しいと思います。

Muddy Waters - Ramblin' Mind

こんなふうに皮膚がゾワッとしてウブ毛が逆立つみたいな異質な鳴りをギターから発せられる人ってあんまりいなかった気がしますね。
ジャズからブルースからロックまでを一気に串刺しにできるようなキャラクターだったのですが、70年代にリーダー作がないというのは残念なことです。

上のアルバムは『Electric Mud』路線の第2弾で、アルバム名が『After The Rain』。
今週のFunk 裏 Recommendで書いたテリー・キャリアーのアルバムと同じCadetレーベル産、リズム・セクションも同じフィル・アップチャーチ(g)、ルイ・サターフィールド(b)、モリス・ジェニングス(ds)というシカゴ・ブラザーズ。
そしてこれもチャールズ・ステップニーの傑作プロデュースのうちのひとつなのです。

ブルースに抵抗があるジャズ系、ロック系の人とか、この辺の邪道なブルースから入ってみるのもオモロいんちゃうかと思いますよ。
去年くらいに久しぶりにCD化もされましたので。
ほんまはサクブラWebで取り上げたいアルバムなんですけど、ホーンが入っていないので手も足も出ません。
しかしCadetからピート・コージーのアルバム出しといて欲しかったな。




というわけで今週からCadet特集です。
またもや個人的趣味まるだしな感じで恐縮ですが。
Chess傘下Argo〜Cadetのレコードはコテコテのソウル・ジャズからレア・グルーヴまで愛好する自分のような人間にとってはたまらん魅力で、集めてた時は楽しかったですね。
しかしCadetって思ったよりホーン物が少なくて短いシリーズになりそうですよ。

テリー・キャリアーはオヤジ系のソウル・ファンにウケがいいという話は聞いたことありませんが、レア・グルーヴ〜フリー・ソウル世代以降には人気のアーティスト。
90年代のレア・グルーヴ・ムーヴメントが発掘したヒーローのひとりであります。

Prestigeに純正ブラック・フォーク・タッチなデビュー作を残したあとCadetに3枚。
その後はElectraに行きますが、誰もが認める絶頂期はCadet3部作でしょう。
代表曲「Ordinary Joe」が入ってる『Occasional Rain』に続く2作目がこの美しいジャケットのアルバム。


このジャケットが好きすぎて、オリジナルLPを買ったあとは長い間部屋に飾っておりました。
こんな曲から始まります。

Terry Callier - Dancing Girl

これイイ動画ですね。
この冒頭のギターのアルペジオと優しい歌声を聴くたびに胸がきゅんとしますね。
オッサンのくせに気持ち悪いと言われようがきゅんとするものはするのです。

2曲目はこんな感じ。

Terry Callier - What Color Is Love


この下品でない慈しみのようなものがジワーと広がっていくような感じ、たまりませんよ。
熱いお風呂の中で耐えきれずおしっこするとこんな風なジワーとした悦びが感じられますよね。

このアルバム収録ではありませんが、テリー・キャリアーの代表曲なのがこちら。

Terry Callier - Ordinary Joe



最後に最近のライヴ映像も。
ベス・オートンがゲスト参加したイギリスでのライヴです。
日本にもBlue Noteとか、毎年のように来てますね。
人柄がにじみだすようなあたたかなヴァイブがたまりません。

Terry Callier & Beth Orton - Dolphins (Live)


彼がCadetに残した3枚のアルバムはキャリアーの歌心とステップニーの才能が作り上げた不滅の名作であり、そのいずれもが70年代初頭のほんのいっときしか存在し得なかった、あの奇蹟のようにやさしく美しい世界が生み出した芸術のひとつなのであります。




長くなってしまいました。
ではまた来週もがんばります。

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