2012年10月30日火曜日

2012/10/25のFunk 裏 Recommend

まいど。

たいへん更新遅くなっております。
何度も訪問いただいたみなさまにはたいへん申し訳ありません。

仕事の締切直前につきブログを書く時間無いこと、
ぐったりしていてそのモチベーションも無いこと、
今週のFunk 裏 Recommendの音源がYouTube上に存在しないこと、
なので音源紹介するならば自分でアップするほか無くそれにはもっと時間がかかること、それを考えただけでさらにモチベーションが下がってしまうこと、
以上の理由により、今週のブログ更新はズル休みとさせていただきます。


かわりに、次回の更新ではたくさん書きます。
熱視線ラーメンその後、も書きます。


ガトー・バルビエリさんの音源に興味ある方は、iTunesで試聴してみてください。
Gato Barbieri - Chapter Three: Viva Emiliano Zapata

同じくImpulse!の第1作目、2作目をカップリングして未発表曲も加えたこちらのセットもたいへんオススメです。


また頑張りますので。

2012年10月18日木曜日

2012/10/18のFunk 裏 Recommend

まいど。

さらに寒くなってきましたね。
どうにも汁っ気のある温かい食べ物が恋しくなりますね。

というわけでさっきコンビニでおでん買ってて思ったんですけど、コンビニのおでんってつい買いすぎてしまいますよね。
というか、オレはよく考えると「コンビニのおでん一個じゃ帰れない症候群」だなあと。


コンビニのおでんはこれまで百回くらい買ってるんですが、何か一個だけ購入した事は一度も無いかもしれない。
どうしたって厚揚げとかシラタキとかを加えて複数にしてしまうのです。

「すいません、おでんいいですか? 器いちばん小さいのでいいです。大根いっこ。以上でいいです。あ、汁は多めで。」
とか言って70円払って小さい容器ぶらさげて帰るという行為はどうにもできないのです。
それが悪いことでもなんでもないというのは解ってるんだけど、自分の中の何かがそれを許さない感じで。

理由を考えてみたんですけど、
①いい大人がおでん一個だけ買って帰るというのがどうにも恥ずかしい。
②何だコイツ一個しか買わねえのかよと店員に思わせてはいけない。
③それもわざわざ店員さんの手を煩わせて器に入れてもらっているのだから一個だけというのは申し訳ない。
④もういっこ喰いたい食い意地。
⑤もしくは喰い足りない場合の保険的なもの。
⑥あの容器に大根が一個だけ入っているという状況のせつなさ。
⑦そしてひとりだけだとあまりにも大根が淋しいだろうという大根目線。
そういうのが入り交じった複雑な感情でしょうか。



これ、オレもそうって人結構多いと思うんですけど。




コンビニのおでん戦略にのせられているのか、それともオレの性分なのか解りませんが、そもそもおでんというのは幾つかの種類の具が共存して初めておでんになるのであり、大根だけ買って帰ったらそれはもはやおでんではなくただの大根煮である、というおでん的な矜持のようなものさえ作用しているのかも知れません。



というような話を事務所でしていたら、わたし平気で大根だけとか買ってますけど、って女子に言われてちょっとビックリしました。
だってあの70円には容器代とかカラシ代とか人件費とかも入ってるんですよ、と。

ちなみにオリジン弁当とかに入って店員さんの前で一通りお惣菜とかチェックして結局何も買わずに出てくるというのもオレには結構なハードルなんだけどという話もしたら、つい昨日もわたしオリジンに10分くらいいて結局何も買わずに帰りましたけど、とか言われて、オーイエーと思いました。


いわゆる玉砕というやつです。
「コンビニのおでん一個じゃ帰れない症候群」には結構深い世界があるような気がするんですけどね。

徹頭徹尾どうでもいい話で申し訳ありません。





では今週のFunk 裏 Recommendの試聴コーナーです。

が、Impulse!レーベルのオーナーであるユニバーサル・ミュージック・グループさまがYouTube映像のBlog貼付けをことごとくブロックされているため、リンク先で音源を聴いてみてください。

Archie Shepp - Attica Blues
Archie Shepp - Blues For Brother George Jackson

しかしどうにもやる気でないですね、これじゃあ。
しかも「Quiet Dawn」に関してはYouTube上でも聴けないそうなので、iTunesなどで聴いてみてください。

この「Quiet Dawn」のワイーダ嬢のヴォーカルについては賛否両論でしょうけど、オレは好きです。

好評だったのか、74年制作のハンニバル・マーヴィン・ピーターソンのアルバムでも彼女はフィーチャーされています。
こんな感じで。

Hannibal Marvin Peterson & the Sunrise Orchestra - The Bombing (from The Children Of The Fire, 1974)


相変わらずヘタクソでいいですね。

この『Attica Blues』の影に隠れてしまってますけど、Impulse!での前後のアルバムである『Things Have Got To Change』とか『The Cry Of My People』も悪くないです。
特に後者はディープなゴスペル・ソウル・アルバムとしても楽しめます。


70年代の後半にはシェップはアッティカ・ブルース・ビッグバンドを編成、ライヴ盤も残しています。

Archie Shepp - Attica Blues (from Attica Blues Big Band Live At The Palais Des Glaces, 1979)

このアルバムは相当オススメなんですけど、CDが廃盤なので、見つけたらオレが買います。
ビッグバンドでの活動はこんにちも続いてるみたいですよ。




以上、ほんとうはもうちょっと色々書きたかったんですけど、週末プチ帰省とかしたせいでやる事たまってるのでこの辺で失礼します。

また頑張りますけど。


2012年10月11日木曜日

2012/10/11のFunk 裏 Recommend

まいど。

すっかり涼しくなりましたね。
この季節毎年思うんですけど、涼しくなり方が極端すぎやしませんかね。
春から夏はあんなにじっくり時間をかけてあったかくなっていくのに、この9月から10月にかけてのだまし討ちみたいな気候の変化にいつもオタオタしてしまいます。

先週まで冷房つけてたのに今週は暖房かいみたいな、遠浅の海やと思てたのに急に深くなりやがってみたいな、長い階段を時間かけて登ったのにすべって降りる時は一瞬みたいな、満員電車のなかでつり革も持たんと全体重こっちに預けてくる奴をいったんがっしり受け止めたと見せかけてしばらく経ってから急に身体ずらしてガクッとさせるみたいな、そんな不条理な気候だと思うんですけど。



ところで今日見かけたおぞましいニュースはこんなのです。
早く昼飯喰いたいな、おなかペコペコ、という状況でこの記事見たんですが、もう黒っぽいものとかマカロニ的なものとかは見るだけで吐きそうになりました。
フロリダてめえこの野郎。



では今週のFunk 裏 Recommendの聴いてみてくださいコーナーです。

一般的にトム・スコットのいちばん人気があるのは『Apple Juice』とかの80年前後の作品だと思うんですけど、昔はほんとにこの辺のストレートなフュージョンがくすぐったい感じで聴けなかったです。
今では平気になりましたけど、たぶん当時は生意気にも屈折しきっていたのだと思います。

その頃のソロからはもうコルトレーン的なフレーズとかを感じる事はほとんどありませんが、初期は青臭いなりに傾倒している感じがあって好感が持てますよ。

例のヒップホップのサンプリング曲から。

Tom Scott - Today

いかにもあの時代のポップスらしいアレンジがちょっとキツいのはともかく、主役のソロはそれなりの自己主張もありつつ健闘していると思います。
ハッとする英気感じるフレーズもありますけど、それでも当時19才だからね。

スコットさんはとにかくアルバムなんて出せると思ってなかったんだけど、プロデューサーのボブ・シールおじさんに「坊や、おじさんの言う事聞いてればデビューさせてあげるよ、ウヒヒヒ」みたいなことささやかれて舞い上がってしまって、ああもう好きにしてくださいコンセプトは全部おまかせでオッケイですみたいなチェリーボーイ的な感じでレコーディングに臨んだそうですよ。

こっちがサンプリング後のカッコいい奴。

Pete Rock & C.L. Smooth - They Reminisce Over You (T.R.O.Y)

この人たちの来日情報も載せてもらってましたが、来月ビルボードライブです。


スコットはこのあともう一枚Impulse!に吹き込んで、そのあとボブ・シールのあとを追ってFlying Dutchmanレーベルの所属になるんですけど、そのもう一枚だったセカンド作『Rural Still Life』('68)はある程度スコットのやりたいようにやってみたらエラい地味になってしまいましたというアルバム。

ちなみに中古LPの値段は同じImpulse!でもファースト1万円ちょいくらい、セカンド2千円くらい、とエラい違います。
けど普通のジャズ・ファンにはセカンドの方が良いと思いますよ。

こんな曲で再び青臭くコルトレーンの影を追っています。

Tom Scott - With Respect to Coltrane (from Rural Still Life)

こちらもCD化されてると思います。






そんな感じで、今日は短めですいません。
やること多いねん。


あ、告知関係ですが、昨日10月10日発売の例のソニーさまのブラス・ロック名盤選のなかでブラッド・スウェット&ティアーズの『New Blood』というアルバムのライナーを書かせていただきました。




もいっこ告知ですが、9月発売のソニーさまのブラス・ロック名盤選では西海岸のラテン・ロック・バンド、アステカのアルバムもリイシューされましたが(このコラムでもやりましたよね)、そのアステカに在籍していたギタリストのビル・コーティアルとヴォーカリストのエロール・ノウルズの2人が唯一残したアルバムももうすぐリイシューされます。

同じく以前このコラムで紹介したコーク・エスコヴェードの『Comin' At Ya』におけるジョーヘン参加の名曲「I Wouldn't Change A Thing」で歌っていたのもエロール・ノウルズさんです。
西海岸らしい爽やかなメロウ・ソウル・アルバムですよ。



以上、ひさびさに木曜更新できてよかったね。
また来週頑張ります。




2012年10月7日日曜日

2012/10/4のFunk 裏 Recommend

まいど。

夏が終わったにもかかわらず深夜のガリガリ君クセが収まらず困っております。
夜中に食べるアイスってなんであんなにおいしいんでしょうね。

先日近所のスーパーで箱入りタイプのガリガリ君リッチチョコチョコが売っていたので一片の迷いもなく3箱大人買いしました。
個人的なガリガリ君ランキングではリッチチョコチョコがダントツでトップな感じなのです。
2着の梨味とは三馬身くらい差が空いてます。

それを毎夜1本ずつ消費していますが、食べるたびに「うんま」と声を上げてしまいます。
昨日も食べたはずなのに、それを忘れさせるほど新鮮な驚きと発見に満ちているのです。

オレがミュージシャンだったならきっとガリガリ君リッチチョコチョコに捧げる歌を書いていたに違いありませんし、オレが死刑囚だったならきっと最後の食事にガリガリ君リッチチョコチョコをつけてくれと頼むことでしょうし、オレがアイスの棒だったならきっとガリガリ君リッチチョコチョコを運ぶそれでありたいと願ったことでしょう。
当たり付だったらなおいい感じです。

ちなみに箱入りタイプのアイスにあたり付なんてあるはずないんですけど、ついつい棒の確認してしまうのはオレだけじゃないですよね。




ところでその後の熱視線ラーメンですが。

昨日帰りに覗いたらサラリーマン2人組が席に座っていました。
なぜかほんの少しだけ安心して、ほんの少しだけがっかりしました。

今朝行きがけに覗いたらハチマキ巻いたおっさん(店員)が戸口の方に向かって無心でラーメンを食べていました。
食べていたというか、かきこんでいた感じでした。
やはり親方が麺を作り過ぎるもんだから朝から精出して麺を消費せんとあかんのかと思いました。

今日帰りに覗いたらやっぱり客は誰もいませんでした。
もういっそのことオレが客として突撃しようかと思いましたが、金曜の夜をたいして旨くないラーメンで締めるという行為の虚しさに思いとどまりました。


なんでしょうね、このどうでもいいんだけど放っておけない感じ。





さて連載の方ではサントラ特集を予定通り早めに切り上げて、今週からImpulse!特集に入りましたよ。
かつてImpulse!のLPを集めることに執念を燃やしていた時期がありましたのでぜひ一度やってみたかった企画であります。

60年代のImpulse!のオリジナル盤はゲイトフォールド(見開きジャケ)でテカテカのコーティングがしてあって、なんだか持ってるだけでもうれしかったのです。
ほとんどの録音がRVG(ルディー・ヴァン・ゲルダー)というのも集めたくなる理由でした。

Impulse!は奇麗なオレンジと黒の2色がレーベル・カラーで、LPを集めていくとレコード棚がきれいなオレンジと黒に染まっていくのがたまらなくうれしいのです。
ジャイアンツ・ファンでは無かったですけど。
ドラゴンボールの単行本を並べて背表紙を見てうれしがるのと同じです。

いつかレビュー付きのレーベル・ディスコグラフィーとかも作ってみたいですね。
70年代以降のImpulse!とかも世間から黙殺されている変なカタログが多いので色々と紹介できればと思っています。


サントラについてはミュージシャンが気合い入れて作ってない感がどうしても残ってしまうんでしょうか。
追いかけだすとキリがないのと語り尽くされている部分が多いのもあって人気のなさを感じますけど、今年買ったこんなコンピとか良かったです。



英Soul Jazzレーベル制作のコンピレーションで、それこそレア・グルーヴなブラックスプロイテーション(=70年前後に制作された黒人向けの娯楽映画)の人気曲はあらかた押さえてるという驚異の2枚組コンピで、100ページ近いカラーブックレットもついてくるという日本じゃあ絶対に作れない商品。

これ一枚買っておけばもうブラックスプロイテーション対策はほぼオッケーな感じです。
Soul Jazzセンパイのことちょっとだけ見直しました。
ジャケは野球拳の最初はグーではありません。




では今週のFunk 裏 Recommendに参ります。

Impulse!の中でもファンキィさでは飛び抜けてる感じの傑作です。
お茶漬けに載せたら3杯くらいさらさらっと喰えそうなおかず感が最高です。
ヒップホップのサンプリング・ネタにも良く使われております。

どこを切ってもおんなじようなファンクが詰まってる金太郎飴的なアルバムですけど、ソロもリズムも安定感バッチリで鼻歌感覚で楽しめる一枚です。
ミルト・ジャクソンのカタログでこういうのほとんど無いからね。

Milt Jackson and The Ray Brown Big Band - Memphis Jackson


どうやら画像つけ忘れたらしいのであなたのパソコンの異常ではないと思われます。
西海岸らしいやや軽い感じはしますけど、これくらい軽薄な方が引きずらなくていいです。

Milt Jackson and The Ray Brown Big Band - Braddock Breakdown


変な曲だけど相当カッコいいです。
このドラムはカール・オブライエンという白人ですけど、ハル・ブレイン的なテンションの高さ感じますよね。
いなたい色合いのジャケも相当いい。

あとは「Enchanted Lady」ってバラードが泣ける名曲なんですけど、例によってBlogに貼れないブロックがされてるので良ければこちらでご試聴ください。


ミルト・ジャクソンさんはこの時点で8ビートの経験ほとんど無いと思うんですけど、もう全然余裕な感じでいつものフレーズはめてますね。
クリード・テイラーにも買われてこのあとCTIに行くんですけど、それも納得の小器用さ、楽器で歌うことのうまさみたいなの感じます。


CTIのミルト・ジャクソンといえばもうこれしかありませんよね。

Stanley Turrentine with Milt Jackson - Sister Sanctified (from "Cherry")

昔しゃぶるように聴き倒したアルバムなので泣きそうになりますね。
ボブ・ジェームズも、コーネル・デュプリーも、ひさびさの昆布ハム先輩も最高です。
タレンタインもミルト・ジャクソンもチェリーでは無かったと思いますが。

この曲の作曲とこのアルバムのアレンジを担当したのがウェルドン・アーヴィンて人なんですけど、その人のレア盤が今月世界初リイシューされますので、たまには軽く宣伝させてください。



以上、がんばって書いたのでリッチチョコチョコ食べて寝ます。
また来週頑張ります。

2012年10月2日火曜日

2012/9/27のFunk 裏 Recommend

まいど。

更新が大幅に遅れてしまいました。
何やっとるねんとのぞきに来ていただいた方すいません。

いやはや、バタバタとした入稿作業が金曜くらいに終わってその後放心状態で、土曜日はカルロス・ガーネットさんのライヴを観に行ったり、日曜日は台風が来る前にと昼間からジョギングしたらその後疲れて寝てしまうなど、ぐったり度がハンパ無い感じでございました。

ところでカルロス・ガーネットさんを知らない人はこの曲でも聴いて脳内宇宙に小爆発でも起こしてください。



そういうわけで更新が10月1日になってしまった訳なのですが、10月1日は何の日だったかご存知でしょうか?
もったいぶらずに言いますが、10月1日は「てんかいっぴんの日」ですよ。


ラーメン界の極北に位置する暴力的なこってりラーメンで有名な天下一品チェーンさまをご存知でしょうか。
この日に天一でラーメン食べるとラーメン無料券が一枚もらえるというオレのような天一マニアにとっては一年に一度のパラダイスな訳です。
もうそう書いているハナからおなかがギューと鳴りますよね。

しかし天一HP見ててこってり大盛りが1125キロカロリーていうの知ってちょっと萎えました。
カップヌードル(364キロカロリー)の3個分ですよ。
ガリガリ君ソーダ味(70キロカロリー)16本分ですよ。
メガシャキ(42キロカロリー)26本分ですよ。
まあ比較しても仕方ないんですけど。

天一と言えばもうひとつ今日から発売の新商品なのがベビースターラーメンと天一がコラボしたこってり味のベビースターラーメンです。
またしても夢広がりますよね。
ベビースターとしてのプライドはどこ行ったんだと思いますよね。

しかしベビースターに天一「あっさり味」まで作る必要あったんでしょうか。
こってり味だけで良かった気がしますが、そもそも天一自体にあっさり味が存在する理由ってなんでしょうね。

それで、あっさり味を選ぶ状況というのを想像力を駆使して勝手に考えてみたんですけど、
①天一を良く知らずに入店した一見さんが何も知らずに頼む、
②友達や彼氏がこってり天一を食べたいというので付き合ったが実はこってりが苦手で頼む、
③外国人観光客、
④こってり一杯たいらげたあとの2杯目としてのあっさり、
⑤罰ゲーム、
というパターン以外は思いつきませんでした。

じっさい天一歴25年くらいになりますけど、「オレどうしても天一のあっさりが食べたい」という衝動に駆られる人とか、「5回に1回はあっさりも悪くない」という人がもしかしたら存在するのかも知れませんけど、いまだ聞いたことがありません。

だからもしそういう人がいたら申し訳ないんですけど、あっさりというのは天一が自らのこってりラーメンの異端さ、特殊さ、非常識さのようなものをじゅうぶん理解した上で、その極端さについて来れない人のことを考えてオファーした常識的なもの、もしくは思いやりのようなものであり、ひいてはラーメン屋としての世間的・常識的なバランスをかろうじてギリギリで支えているアンカーのようなもの、ではないかと思うわけです。

オレにとって天一に行ってこってりを食べないというのは、例えば温泉に出かけて行って風呂に入らないとか、おっぱいパブに行っておっぱいを触らないとかと同じくらい「何しに行ってんの」という話ではあるけれども、ではあの店にあっさりが存在しなかったとしたらそれはそれで硬派というか武闘派というか、あまりにも尖りすぎてるでしょう、という印象になるのではと思うのです。

だからあんまり注文されなくても存在意義があるのです。
むしろあっさりはこってりのカウンターカルチャーとして、こってりの偉大さを強調してさえいるのです。
常に比較対象が近くにあるほど特長が際立つというやつです。

あっさりの役割なめんなよ、という話です。



しかしながら生まれてこのかたあっさり味の天一を食べたことは無いですが。
天一マニアとしてはあっさりも経験しておかないと極めたことにならないと思い、今日は何があろうと絶対にあっさりを頼む、と強い心で臨んだことは何度もあるのですが、いざ注文になると「こってり大ネギ」という言葉しか出てきません。

あのどろどろスープと山盛りになった九条ネギの絶妙なハーモニーといったら!





ラーメンといえば、先週の熱視線ラーメンのことなんですけど、30点の醤油ラーメンを食べて以来もう店には入ってないんですけど、毎日前を通るのでそのたびに開け放しの入り口から中のほうを覗くんです。
けど、客が入っていた試しがありません。
店の中にはおっさん達が所在なげに立っているだけです。
客という対象を失ったおっさんたちの視線はこの宇宙の片隅でもはや熱視線ではなくなっているのです。

まあ味もそうなんですけど、ラーメン並が650円てちょっと人気店並に値段高いでしょうとか、メンマがソーセージ並に太すぎるでしょうとか、こんな狭い店で近くにおっさんがたくさんいるのに水はセルフサービスとかありえないでしょうとか、そもそもこんなへんぴな場所に店作るとか誰が言い出したとか、他にも突っ込みどころ満載なお店なのでまあ撤退も仕方ないかなと思うんですが、さすがに9月にオープンしたばかりなのでもう少しチラシ撒くとか割引券配るとか工夫して耐えろよと思うわけです。

ところでこの熱視線ラーメンのウリはどうやら自家製麺というところでありまして、狭い店の入り口にガラス張りの製麺ブースがあって、ボス的なおっさんが常にプロパガンダ的に麺を打っているという状態の店なんです。

おっさんが店先で麺を打っていますよ、作り立ての麺ですよ、というのが最大の客引きポイントなんです。

それで、店に客は相変わらずいないんですけど、店先の麺打ちはプロパガンダ的に続けないといけないので、ボス的なおっさんはパフォーマンスとしての麺打ちを営業している間は常にひたすら続けている訳です。
そうするとどう考えても店での麺の消費量と麺の生産量のバランスがおかしい訳であって、いったい毎日大量に残ってしまう生麺をどう処理しているのだろうとオレなんかは考えてしまうのです。


あの所在なげなおっさんたちが、かつてオレをあれほどの熱視線で見つめたおっさんたちが、毎日余り物の生麺を持って帰って家で茹でて食べて、こんなにウマいのにおかしいなぁとかつぶやいていると考えるのはかなり切ない感じなので、きっとあのラーメン屋は近所の同業店に生麺の卸みたいなこともやっていて、それで客があんまり来なくても小さな製麺所としてやっていけてるのだと考えるようにしています。


どうでもいいんですけど赤の他人に心配させるほどの無謀過ぎる商売というのはいかがなもんでしょうか。




無駄にダラダラといらんことを書いてしまいましたが、申し訳程度に今週のFunk 裏 Recommendの音源紹介をしておこうかという感じです。

最初はこんな曲から。
ストリート臭漂う垢抜けないファンクです。

The Ray Brown Orchestra - Pony (Arranged by J.J. Johnson)

あの真面目そうなJ.J.ジョンソンさんが「あー、ヴォーカルの君ね、歌詞はないけどパヤパヤって言っとけばいいから」とか言ってるのを想像するとオモロいですよね。

とんでもない動きをするベースに耳を奪われるんですけど、たぶんチャック・レイニーさんかキャロル・ケイさんのいずれかと思われます。
というのは同じ73年のクインシーのアルバム『You've Got It Bad Girl』がそのふたりとレイ・ブラウンがベースだから。
プロデュースも同じくクインシーとレイ・ブラウンの2人です。


以下の2曲はその仲良し2人のアレンジによる曲。
ナスティ・ファンク2連発という感じです。

The Ray Brown Orchestra - Coming and Going

The Ray Brown Orchestra - Fat Cat Strut

あの真面目そうなレイ・ブラウンさんが「あー、ヴォーカルの君ね、この曲は歌わなくていいから、ひたすらアエギ声でアヘアヘ言っといて」と言ってるのを想像すると萌えますよね。
ちょっと演技指導したりして。


クインシーさんのサントラ作で最高にイカしてるのは以下のブラックスプロイテーションとか。

Quincy Jones - They Call Me Mister Tibbs

邦題『続・夜の捜査線』です。
CDも出てますよ。


とうわけで、次週以降の展開を悩んでおりますが、いずれにせよサントラ特集は今週で終わりでございます。
つうかまだ原稿書いてねえ。

またBlogの方も頑張りますので。
また覗きにきてください。