2012年7月5日木曜日

2012/7/5のFunk 裏 Recommend

まいど。

レバ刺しともフライドチキンとも無縁の一週間を送っておりました。
メガシャキとガリガリ君さえあればこの夏は越せそうな気がします。

今日は前書き無しでさっそく今週のFunk 裏 Recommend行きましょう。
ハイノート自慢の若大将ボビー・ブライアントの71年のアルバムです。

状況を説明しておくと、エリントン楽団で有名な大先輩キャット・アンダーソンにバック吹かせてソロも先攻で吹かせるという前座扱いしといて最後に自分が目が覚めるような高音カマしておいしいところ全部持っていこうと考えてたのだがキャット先輩は考えていた以上に天然で天才だった、という状況です。

テナー・サックスのソロのあとに2:40くらいからキャット先輩が登場、時空が曲がります。
遠くはなれた北極だか南極だかで巨大な氷壁が割れるのを感じます。
その後4:20くらいからブライアントの番です。

Bobby Bryant - A Prayer For Peace


猫先輩おそるべしですよね。
チュルチュルチュルチュル言うてますよね。
もはや虫とか蚊とか鳥に近い存在ですよね。
ハイノートの限界というか人間の可聴域の限界に挑むプレイですよね。
もしかしたら僕らには聴けない可聴域を越えた高音でコウモリとかにしか聴けないレベルの高音を猫先輩は出してるかも知れません。

あと何げに猫先輩がこういうジャズ・ファンクでソロ吹いてるのも珍しいと思いますよ。

ブライアントもじゅうぶんスゴいし頑張ってるんですが「今日は僕の晴れ舞台やからムチャせんといてくださいって猫先輩にあれほど言うたのにオレより高い音出してどないするねん」というのが本音じゃないでしょうか。

ブライアントが頑張ってる別の曲も聴いてあげてください。
この曲でもかなり攻めてますよ。

Bobby Bryant - Kriss Kross

高音ばかりに耳が行ってしまいがちですけど、フツーにカッコいいジャズ・ファンクですので。

ボビー・ブライアントのアルバム・ディスコグラフィーを簡単に紹介しておくとこんな感じです。


1. Big Band Blues (Vee Jay, 1961)
2. Ain't Doing Too B-a-d, Bad (Cadet, 1967)
3. The Jazz Excursion Into Hair (World Pacific, 1969)
4. Earth Dance (World Pacific, 1969)
5. Swahili Strut (Cadet, 1971)

この中でCD化されてるのはたぶん2.と4.だけかな。


2.の方は日本盤だったんですけどすぐに廃盤になってしまって今はAmazonでもヒドい値段になってます。
けど中古屋で見つけたら2,000円くらいで入手できるかと。


4.は去年EMIジャパンさんの1,000円シリーズでめでたくCD化されてて、今ならAmazonだと991円で買えます。
こっちもクルセイダーズのウェイン・ヘンダーソン・プロデュースでジョー・サンプル他クルセイダーズ一派集結の悪くないジャズ・ファンク盤です。
廃盤にならないうちに是非。


Bobby Bryant - Happiness Is A Warm gun


いくらビートルズだっつっても普通こんな変態曲のカヴァーしないよね。
それラッパでカヴァーしてどないするねんな「While My Guitar Gently Weeps」のカヴァーもやってます。




しかしこの『Swahili Strut』みたいに「悪くないんだけど売れないからCD化されない」って作品はいっぱいあるんですけど、そういうのがデジタル化もされずiTMSとかでも売られず最初から無かったもの、みたいな感じで消えていくのって実に残念ですよね。

これの100倍くらいしょうもない新作レコードが大仰な宣伝文句とともに毎年山のようにリリースされては1年後に300円くらいでブックオフで売られている様を目にし続けてきてるのでなおさらそう思うんですけど。



それでここからは猫先輩やっぱりスゴいっス。のコーナーです。

まずはエリントン楽団から。

わが愛すべきポール・ゴンザルヴェス先輩、そしてバスター・クーパー先輩に続いて猫先輩が登場、とおい異次元に行ってしまわれます。

Duke Ellington - The Opener

耳を疑うという表現がありますけど、むしろ耳が裏返ったきがしますよね。

エリントン物をもうひとつ。
トランペット勢そろい踏みのショウケースで猫先輩が月面にたどりつかれます。

Duke Ellington - El Gato

オレだったらこんな人と一緒に吹くのヤだな。


最後にライオネル・ハンプトンと一緒にディスコやってる短いやつを。
猫先輩それはもう音楽っていうより変人奇人な芸ですから。



しかしアホなハイノート映像というのは意味もなく人をシアワセにしますね。

誰かをシアワセにできるようにまた頑張りますね。



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