世間がお盆休みであることに気付かなかったふりして普通に働いている今日この頃でございます。
8月がはや半分終わっていることにも気付かないように努めております。
気持ち的にはまだ6月下旬くらいで、夏はまだこれからで、年齢的にはまだ32才くらいなつもりでやっております。
我にかえるという名の勇気をください。
Amazonで売ってればいいんですけど。
関係ないですけどこないだAmazonでまとめ買いしたのはメガシャキです。
みんなアレまずいって言うんですけど、実際メガシャキ味のガリガリ君を夢見るほど個人的には好物です。
ガリガリ君と言えば連載元のリットーミュージックさまがなかなか大人げないガリガリ企画をされていたので噴いてしまいました。
日本の夏はキンチョーの夏でもなくTUBEでもなくガリガリ君に象徴されるようになってきましたね。
さて連載の方はカール・デイヴィスさんの追悼企画だったすけど、そう言っているあいだにまた新たな巨匠が亡くなってしまいましたよ。
シカゴ・ネイティヴでシカゴ・ローカルにこだわり続けたテナーマン、ヴォン・フリーマンさんが11日に88才で鬼籍に入られました。
息子はチコ・フリーマンという世界的に有名なテナー・マンです。
NYやLAといったジャズのメインストリームで演奏するチャンスや誘いは何度もあったにもかかわらず、とにかくこの人はシカゴを離れるのがいやだった。
コルトレーンがバンドを去ったあとにマイルスが後釜としてヴォン・フリーマンを誘ったときにはマイルスからの電話に居留守を使い続けたそうです。
デビュー・アルバムを吹き込んだのも随分遅くって49才の時。
友人であるローランド・カークがその過小評価っぷりを見かねてプロデュースを買って出てAtlanticから出されたのが『Doin' It Right Now』(72年)です。
びっくりするような名盤ではないけれど、シカゴ・ローカルの現場のタフネスみたいな味わいが滲み出てるいい作品ですよ。
このアルバムのリンク貼ろうとしたけどまたYouTubeに怒られたので代わりにこれを。
George Freeman - Free-Man (from the album "Franticdiagnosis" 1972)
ヴォン・フリーマンの弟はジョージ・フリーマンというギタリストでこちらも同じくシカゴ・ローカルで活動したひとなんですけど、その弟の作品に参加したのがこれ。
レアなジャズ・ファンク・アルバムとして有名な一枚だけどCD化はまだです。
もうすぐ出るという噂もありますが。
ヴォンさんのテナーは訛が強いというか、アクの強い個性ですね。
そしてジョージ・フリーマンというギタリストの特筆すべき変態度についてはまた別途書きたいんだけど、まあとにかく勤勉実直そうなおっさんの中にさえとんでもない破壊衝動が隠されていることはよく分かります。
もう少し時代を遡って珍しいのはこのシングル。
60年代のBlue Noteに吹き込んだ一連の作品以降、鬼才ピアニストとしての地位を確立させたアンドリュー・ヒルのシカゴ時代の作品。
Andrew Hill - Down Pat (1956)
あのトンがってたヒルのオールドスクールなスタイルに驚くんですが、コンボのメンバーはこんな感じ。
Andrew Hill (p)
Von Freeman (ts)
Pat Patrick (bs)
Malachi Favors (b)
Wilbur Campbell (ds)
パット・パトリックはサン・ラ楽団を長らく支えた人だし、マラカイ・フェイヴァースはのちのアート・アンサンブル・オブ・シカゴのメンバー。
50年代にはアンドリュー・ヒルもサン・ラもAEOCもひとつにつながっていたシカゴという土地のディープさを感じますよね。
それでは今週のFunk 裏 Recommendの音源紹介に参ります。
今回の話は有名な話なので知ってる人も多かったかも知れませんけど、こんなハッピーな曲がどんどん知られてもっとカヴァーされまくったらいいのにな、と我思うのです。
まずはオリジナルのインスト版「Soulful Strut」から。
Young-Holt Unlimited - Soulful Strut
続いて元ネタ、というか本来こちらがオリジナルのヴォーカル入り。
Barbara Acklin - Am I The Same Girl
オケが使い回しなのがよく分かりますよね。
作詞・作曲はチャイ・ライツのユージン・レコードさんとBrunswickの専属作家/アレンジャーだったソニー・サンダースさん。
ユージン・レコードさんはバーバラ・アクリンのダンナさんでもあります。
「ダンナが私のために作った曲をインストにして先に売りやがってこのハゲ!」みたいな心境でしょうか。
実際アト出しのアクリンさんのシングルの方がセールス的には伸びなかったので余計にかわいそう。
おまけに後年他のアーティストにカヴァーされたヴァージョンの方が良く売れたりしています。これとか。
Swing Out Sister - Am I The Same Girl (1992)
まあそんなモロモロもカール・デイヴィスさん(ハゲてはいない)の采配であってヤング・ホルトさん(ハゲてはいない)には罪は無いんですけど。
このアルバムは「Soulful Strut」以外にもファンキィな曲満載の楽しめるアルバムになってますよ。
このアルバム単位でのCDよりもベスト盤の方が入手しやすいかも知れませんけど。
Young Holt Unlimited - Who's Making Love
ヤング・ホルトはこのあとヒットが出なくって、70年にはAtlanticに移籍、ちょっとだけニュー・ソウル・テイストまぶしたりしてアルバム3枚くらい出したあとにPaulaというマイナーレーベルで最後のアルバムを残してます。
最終的にはこんなコスプレになってしましました。
そして特にヤング・ホルトである必要が感じられない音楽になってしまっている気もしますね。
要するにいかにラムゼイ・ルイスがエラかったか、という話でもあります。
Young Holt Unlimited - Pusher Man (Plays Super Fly, 1973)
では今日はこの辺で。
もう少し6月下旬の気分で頑張ってみます。
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