2012年8月31日金曜日

2012/8/30のFunk 裏 Recommend

まいど。

ほんとは今夜ブルーノートにミンガス・ビッグバンドを観に行きたかった人がとうてい行ける状態に無いことを悟り歯ぎしりしながら書いているブログがこちらになります。
いいさ浮いた8400円でレコード買いに行ってやるから。


さて今週もヴェテランの訃報がありました。
フィラデルフィアのアルト・レジェンド、バイヤード・ランカスターさんが23日に70才で亡くなりましたよ。

こないだのヴォン・フリーマンさんがシカゴという街にこだわったほどではありませんが、バイヤードさんもフィリーという街を自分のアイデンティティの中の重要な要素として表現に加えていた人だと思います。


闘争心溢れるアヴァンギャルドな芸風が身上でしたが、オーソドックスなビーバップから8ビートまで、どんなスタイルにもヴァイタリティたっぷりのプレイで対応するような強者でした。
ちょっとフリーがかったクロいジャズ・ファンクが好きなオレなんかには大好物な感じで。

Byard Lancaster - Dog Town (from Funky Funky Rib Crib, 1974)


オーネット・コールマンの『Dancing In Your Head』を予期させるようですね。
このアルバムは確か渡欧時にレコーディングしたフランス録音だったと思いますが、強烈なファンクが入っててオススメですよ。
フリージャズだと思ってたらやけどするでぇ、という感じです。

こっちは68年のデビュー・アルバムから。
ギターは変態ソニー・シャーロックさんです。
下の写真のギターの人ではありません。

Byard Lancaster - John's Children (from It's Not Up To Us, 1968)



バイヤードさんのフィリー魂のルーツは同じ街で生きた巨人であるジョン・コルトレーンさんだったのではないかと思います。
1968年Atlanticからの初リーダー作にはこの「John's Children」という曲が入ってるし、40年後の2008年のシングルにも「Saint John Coltrane」という曲が入っています。

コルトレーンは聖人になりたかったのだという話を耳にしますが、ある種のミュージシャンやジャズ・ファンの間ではかなり神に近い存在だったんだな、と思うとしみじみ酒場ですね。

あと一昨年くらいにリイシューされた超レア盤ですけど、サウンズ・オブ・リベレーションというフィラデルフィアのミュージシャン連合によるアルバムがとんでもなくドープでしたよ。

Sounds Of Liberation - New Horizons I (from Sounds Of LIberation, 1972)

ひでえジャケですけど。
右下の人が化学室の筋肉標本に見えて仕方ない。





ということで大した笑いも無いままに今週のFunk 裏 Recommendのおさらいコーナーに参ります。
考えてるヒマなんて無いからね。


アルバムの1曲目はこんな感じです。

Melvin Jackson - Funky Skull

まるでイントロが永遠と続いてるだけのような堂々たる一発ものなんですけど、ビートのカッコ良さとDWBの変態度を楽しんでください。

リズム隊はなぜかCadetのハウス・バンドで、フィル・アップチャーチ(b)、モリス・ジェニングス(ds)、ピート・コージー(g)という編成。
これと「Cold Duck Time」の2曲だけこの編成です。


残りの曲はAACMホーンズに、名手ビリー・ハート(ds)、ジョディー・クリスチャン(org)という当時のエディー・ハリス・コンボのリズム・セクション。
この曲とかシブいです。

Melvin Jackson - Bold & Black


軽くスピリチュアルさまで漂わせています。

ホーン隊の中のレスター・ボウイ(tp)、ロスコー・ミッチェル(ts)は言わずと知れたアート・アンサンブル・オブ・シカゴの人です。
フリー・ジャズのイメージが強いですけど、自主的にファンクもやってたりします。
こんな感じ。


かっちょえー。

それでもうひとりのサックスのバイロン・ボウイはレスター・ボウイの弟なんですけど、もうひとつ下の弟であるジョセフ・ボウイが後に結成するデファンクトのメンバーでもありました。


デファンクトは90年代とかえらいバカにされてた気がしますけど、今ちゃんとやればリバイバル的にまあまあ売れそうな気がしますね。
こういうマッチョでバカっぽくて実はインテリな感じは今あんまりないです。


メルヴィン・ジャクソンのエディー・ハリス・バンドでの活躍もどうですか。
有名なレス・マッキャンとの邂逅『Swiss Movement』(1969)の2日後のモントルーでのライヴです。



あんまり誰も言わないけどエディー・ハリスは相当変態ですよね。
この音色といい顔つきといいニュルッとしたフレーズといい。
オレにとって抱かれたくないミュージシャンのかなり上の方にいます。


メルヴィン・ジャクソンのCDもシカゴのDusty Grooveというレコ屋が再発したんですけど、もうすぐ廃盤になりそうな気配ですので変態好きな人はお早めに。



というわけでテンション上がらないまま今日は締めさせていただきたいと思います。
あれ以来Gは出ませんでしたが、やる気も出ないままでした。
来週こそ頑張ります。


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