2013年9月13日金曜日

2013/9/12のFunk 裏 Recommend

まいど。

10月1日の天下一品祭りのことが気になって仕方ない今日この頃ですが、何とかして昼夜2食いけたりしないものかしら。


今週のFunk 裏 Recommned
アラン・トゥーサンのどれを紹介するか、迷いに迷ってこちらに落ち着きました。
迷い癖のあるオレみたいなもんは結局のところあれもこれもって欲張りなんだと思います。

でもやっぱりファンク好きなら『Southern Nights』よりこっちかもね。
眼鏡キラッ〜ですから。
1曲目からです。

Allen Toussaint - Victims of the Darkness

ドラムはミーターズのジョセフ“ジガブー”モデリステさんでしょうか。
ちょっと革命的なドラムですよね。
憎たらしい感じの。

トゥーサンさんの声は何ていうのかな、普段は引きこもってます、みたいな感じのナイーブさがあっていいですね。
ロック・ファンにも好かれた理由が分かるような気がします。

Allen Toussaint - Goin Down

この引きずるみたいな重いドラムが相当いいです。
セカンドビートも取り入れつつ、なんとファンキィなんでしょう。
ほれぼれしますね。

ホーンのアレンジも素晴らしい。
この時期ツーさん(略しました)はザ・バンドのホーン・アレンジもやってたくらいなんで。
ホンカー風のサックスはゲイリー・ブラウンさんだと思います。
もう1曲だけ。

Allen Toussaint - Soul Sister

曲が良すぎてファンクにしとくのは勿体ない、なんて書くと怒られるでしょうか。
でもかなりポピュラーな可能性感じるメロディですよね。

以下、重要作3枚。
いちばん左が72年、ミーターズがいたRipriseと契約を交わした最初のアルバムで通算3枚目のアルバム。
その右が75年の通算4枚目で最高傑作と名高いやつ。
その右は70年のソロ宣言作、な感じです。

その他58年にわずか20歳で吹込んだゴキゲンなピアノ・アルバムがありますけど、まあこの3枚聴いとけばニューオーリンズの半分くらい手に入れたも同然です(ウソ)。



次の来日があったらオレも絶対観に行くから。



<今週のライヴ・レポート>
来日といえばここ最近ピアノ・トリオ2連ちゃんで観に行きました。
エンリコ・ピエラヌンツィさん、ヘルゲ・リエンさんです。

エンリコさんは多分64歳とかなんですけど、若い頃から比べてほとんどタッチの衰えというものを感じさせない軽さ、素晴らしいキレのよさでした。
ビル・エヴァンス系とか言われてるけどそんなにエヴァンスどっぷりじゃなくって、本質的にはバド・パウエルから綿々と続くビバップの系譜上にあって、そこにエヴァンスとかマッコイ・タイナーとかキース・ジャレット的な要素をうまく取り込んで、ヨーロッパ的な風土で熟成させた感じ。
そう、すごくヨーロッパな気風みたいなものは感じましたね。
ねっとりドロドロというのが皆無なさっぱり風呂上がり系の気持ちよさでした。

逆にまだ若いヘルゲ・リエンさんは完全に耽美派というか、もっと現代的な音楽でした。
ノルウェイの人ですけど、現代音楽とかクラシックの匂いが強かったです。
『To The Little Radio』(2006)というアルバムを死ぬほど聴いたのですが、あれよりももっと好き勝手な方向に深化してましたね。
それはそれで悪くなかったです。

ピアノ・トリオのコンサートは普段よりもオッサン率がかなり高いんですけど、さらに高い確率で演奏中にオッサンが寝てるというのを改めて確認してきました。
ヘルゲさん公演はステージのいちばん前で観てたんですが、向かいに座ってるオッサンが口を開けて爆睡していたのでアーティストが気を悪くしないか、関係ないオレがひやひやしました。
でも本当はオレもエンリコさんで一瞬落ちたけどな。


<今週の聴いてます>
ここ最近ハマッて聴いてたもの。

これは今更ようやっと中古盤を手に入れて初めて聴いて感動したわけなんですけど、Numeroレーベルが2011年に世界初CD化したウィリー・ライトさんのアルバム。
いわゆる黒人フォーク歌手による超レアな77年産自主制作アルバム『Telling The Truth』の復刻です。

フォークっつってもそんなアコギ弾き語りとかじゃないです。
60年代のテリー・キャリアーとかが近いのかな。
黒人SSWによるソウルフルなフォーク・ロックっていう感じじゃなくって、あくまでフォーキーなソウル・ミュージックであるところがいいです。
曲も良ければ朴訥とした歌唱も沁みます。

Willie Wright - Nantucket Island

これみたいにカリブの薫りがする曲が多いのもいい感じ。
20年前だったらきっと、カセットに入れて好きな女の子とのドライブに連れてったよ(赤面)。


もう一枚はまたピアノ・トリオ。
ちょっと前に復刻になったイタリアのピアニスト、マリオ・ルスカさんの74年産アルバムです。
まずジャケットがすごく雰囲気あってよくって、内容の方もピアノとベースの録音が異様にエッジが立った変なミックスで、なんだか斬新なアレンジと響き方と跳ねたリズムでグイグイくる感じがすごく良かったです。

YouTubeに上がってなかったけど、こんな感じです。
ベタなスタンダードばっかりやってるけど、なんか新しくてカッコいい。
みんなこういうピアノ・トリオ演ればいいのに、と思いました。





<今週の2周年>
自分で言わないと誰も褒めてくれないですけど、毎週やってるこの「Funk 裏 Recommend」連載、開始から2年が経過しておりました。
ひとえにサックス&ブラス・マガジン編集部さま、読んでいただいたいる皆さまのおかげであります。
やめろとも言われていないのでもう少し続けさせていただきます。
引き続きのご愛顧よろしくお願いします。


では今週はこのへんで。
また頑張ります。





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