2014年4月3日木曜日

Independent Black Jazz Of America

まいど。

1ヶ月以上更新をサボった人が何くわぬ顔でシレっと再開させようとしているBlogにお越しいただきありがとうございます。

時間が無かった、と面倒くさかった、とモチベーションがあがらなかった、の中間に位置するダークエネルギーが「こんなBlog誰も見てないんだからやめちゃえばいいじゃん」と耳もとにささやき続けるという幻術にかかっておりました。

が、ちゃんとやってくださいね、という何件かのお声をいただき、先ほどダークエネルギーを風呂敷に包んで押し入れの天袋に片付けました。
ちゃんとマジックで「D.E.」と書いておきましたので、引っ越しの時も大丈夫ですよ。


前回の更新で「告知します」と言っていたのは、はじめて出させていただいたディスクガイド本のことでありまして、まあその本のこととか、本のおかげでたまっていた仕事とか、確定申告とか、そういうのがたいへんだったわけです。

改めて宣伝を。

70年代のアメリカの黒人ジャズ・ミュージシャンたちによる真摯なジャズ作品を網羅的に纏めたディスクガイド本『インディペンデント・ブラック・ジャズ・オブ・アメリカ』が発売中であります。
リットーミュージック社より、定価2,800円+税、という感じです。
お近くの書店、CDショップ、ECサイト様などで取扱いいただいております。



詳細はこちら
PC環境であれば何ページか立ち読みもできます。

真摯なジャズが売れなかった時代、理想と現実の狭間で苦労していた黒人ミュージシャンたちが、社会や同胞へのメッセージも織り交ぜながら創りあげた自主制作盤を中心に、615枚もの同時代の作品を取り上げ、レビューしております。
独自インタヴューなど補足的な記事も数多く掲載。

共著者であります尾川雄介氏は高円寺のレコードショップuniversoundsを主宰しながら、ライターとしても健筆をふるわれたり、CDリイシューの企画監修をされたりしております。
が、何といっても氏の黒ジャズおよび日本のジャズ・レコードのコレクションは、間違いなく世界最高峰のものだと思います。

今回の企画はStrata EastやTribeなど、ブラック・インディペンデント・ジャズの代表的なレーベルの作品をディスコグラフィー的にすべて紹介したい、という欲望から生まれたものですが、尾川氏の秘蔵のコレクションを世に開陳して欲しい、という僕の願望もすべて果たされた結果となっております。
世界で数枚しか存在が確認されていない時価数千ドルのレコードの数々、が惜しげも無くジャケット表・裏を晒されております。


まあ、本の話や尾川氏の話をしだすとキリがないですが、ともかく今回のレコード・ジャケット撮影の折が個人的な感動のピークでした。

尾川氏の自宅より持ち出された黒ジャズ盤の数々、レコード・コレクターのはしくれである僕でさえもウェブ上でしか見たことの無かった貴重盤の数々、それもすべて新品同然のコンディション。

それらが放つ濃厚すぎる黒ジャズ・スメルと野性味あふれるオーラを感じるとともに、それらチープな造りの盤に込められた執念、爪に火をともすような思いをして作ったという怨念、がひとつの場所に集められ、祈りにも似た残留思念の集合体となって、40年の時を超えてなお放つ波動を感じ、魂をわしづかみにされるような感動を覚えたのであります。

その「残留思念の集合体が放つヴァイブ」はあのジャケット撮影の折よりは多少は希薄になってはいるものの、この本の中にもしっかりと封印されております。
ページをめくるたびに陽炎のごときそれが立ちのぼるのを感じていただければこれ以上の歓びはありません。

まあ、公正な目で見てもかなりジャンル的に偏った本であり、我々の個人的な趣味趣向を綴ったかなりのマニア向けの一冊ではあります。
こういった世界も面白いですよ、と紹介するつもりで作りましたが、批判も含めたご意見ご感想いただければ幸いです。



以上、本の宣伝・告知でした。
次のエントリでFunk 裏 Recommendのおさらいやります。
天袋からD.E.がこっちを覗いてますが。




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